コロナ対応など振り返る 玉城知事が就任3年会見

 
会見で発言する玉城デニー知事=1日、沖縄県庁

 就任3年目を迎える沖縄県の玉城デニー知事は1日、県庁で会見を行い、これまでを振り返るとともに今後の意気込みを語った。直近はコロナ禍対応の1年だったと語ったほか、復帰50周年に向けた新たな沖縄振興計画の策定などに全力で取り組んでいると強調した。来年の県知事選への自身の出馬については、態度を明らかにしなかった。

 玉城知事と記者団のやり取り(抜粋)は以下の通り。

―県知事選に向けて、自身の立候補について現状の認識は

 残る任期について全力を尽くす決意なので、次期知事選については、まだ現段階では答えは控えたい。

―辺野古基地建設阻止は、重要な公約の1つだった。残り1年で建設阻止を達成することは可能か

 県知事選挙でも、辺野古に新基地は造らせないという公約を掲げて、県民から意思の負託を受けている。辺野古新基地建設に反対する民意も県民投票などで明確に示されている。

 国は、民意を一顧だにせず、工事を強行している。引き続き、政府に対話によって解決策を求める姿勢を粘り強く求めたい。

 同時に、辺野古に新基地は造らせないとの公約の実現にも、その民意に沿って取り組んでいきたい。

―今年は、コロナ対応で県民や事業者に行動の抑制を強いている。これは、国の対策ができていないことが要因なのか、それとも県政運営が問題なのか

 未知のウイルスに対しては、国や県、県民もゼロから立ち向かわなければならない状況が続いてきた。国の対策なのか、県民性なのか、私の県政運営なのか、それぞれの要因があると思うが、それを乗り越えて互いが協力していくことに、コロナ収束の道筋が見えてくると感じている。

―在沖米軍に起因する問題が依然として起き続いている。基地に起因する問題が解決に向けてなかなか前進しない要因はどこにあると思うか

 国土面積の0.6%しかない沖縄県に、全国の米軍専用施設面積の約70.3%に及ぶ広大な米軍基地が存在している。在日米軍の約7割が沖縄に駐留している。米軍に特別な地位が与えられている不平等な日米地位協定も、挙げなければならない。

 補足協定などで改善されているという声もあるかもしれないが、本丸の改定がなければ、米軍の好意的な配慮を求めているだけなので、県民や国民の求めている自主的な権利とは程遠い状況にある。

 復帰50年という大きな節目も迎えるので、日米両政府には、米軍基地の整理縮小はもちろんだが、基地負担の実質的な軽減、訓練の県外国外移転、日米地位協定の抜本的な改定、見直しなど、目に見える形で、県民が本当に実感する形で基地負担の軽減を図ることが、米軍に起因する事件事故を相対的に減少させることと直結しているのではないか。

―「オール沖縄」から企業の離脱もあった。政党色が強まって、当初の保革を超えた枠組みではなくなっているという指摘もある

 オール沖縄は、そもそも建白書の実現が大きな根幹の目的。そこには、保革を超えた、イデオロギーではなく、ウチナーンチュが求めているものは何かというアイデンティティーでつながっている。これは、翁長雄志知事が残してくれた言葉だ。

 いろいろな考え方は、それぞれにあると思うが、心の中では、気持ちの中では、思想信条を乗り越えた結節点はたくさん作られていると思う。

―経済が悪いときは政府とのパイプを強調できる保守系候補が有利ということもあるが、この経済状況のままで次期知事選を迎えることはオール沖縄陣営にとって不利ではないか。知事として、残り1年どのような姿勢で経済回復に取り組むのか

 新型コロナは、全国的にも世界的にも非常に大きな影響を及ぼしている。沖縄では特に観光を中心とした裾野の広い産業構造であるため、影響は計り知れない。県では、この間、補正予算などにより経済対策を切れ目なく講じて来た。

 アフターコロナの方向性が、コロナ以前の経済状況に戻るかは断言できないが、中長期的に考えると、ここから先は少し思い切った転換点にもなれるのではないか。各産業分野における競争力の強化やDXの移行などを推進して、99%が中小零細企業と言われている沖縄でも、生産性や付加価値の向上や、企業同士の結節点を強くすることで共生する環境も作っていけるのではないか。

―知事の就任後、金秀グループの呉屋さんが後援会長を辞任され、次期衆院選では自民党候補を支持すると表明している。県議選でも、告示前より県政与党が議席を減らし、県議会議長の赤嶺さんが中立に転じている。オール沖縄の弱体化や知事の求心力低下について懸念していることはあるか。

 まず、私の力の足りない所は日々、私が自分自身で痛感していることではあるが、だからこそ、一つ一つの物事には、愚直に取り組んでいく姿勢が大事だと繰り返し自問自答している。

 組織体としての取り組みや選挙のときの取り組みは、それぞれ分析の仕方だったり、県議選挙でも地域のテーマや世代交代、それぞれの候補者の運動の濃淡によっても結果が出てくる。

 決して、体制の弱さや大きな方向性が一致していないから、選挙の結果がそのような方向になるというのは、それは、一面はあるが、それが全てではないだろうと思っている。

 私の力の足りなさで、応援していた議員の方の県議選での当選を見ることが出来なかったのは、残念であり申し訳ないという思いもあるが、それもまた、お互いにどうやって補っていけるかということも、新しく選挙によって選ばれた議員の方たちと与野党を超えて協力していきたい。

―率直に、来年の知事選で名護市辺野古の新基地建設は争点になるか

 おそらく争点になるでしょう。どちらかの考え方だけを示す候補者になれば争点にならないかもしれないが、互いに違うことを選挙で掲げる候補者が登場してくれば、自ずと争点になる大きな課題と考えている。

―政府は、沖縄県の民意に耳を傾けない状況が続いているが、一方で知事は民意を大切にする政治家という立場だと思う。今後、衆院選、名護市長選、参院選がある。仮に辺野古を一部容認するような選挙結果の民意が出始めたときに、知事は政策転換をする可能性はあるか。

 例えば前回の名護市長選以降、選挙では辺野古は反対の稲嶺さんから、推進も反対もおっしゃらない渡具知さんに市長が変わったが、それで県政と名護市政の距離が開いたということはないと思う。

 それぞれの地域の方々が、地域のリーダーを選び、その方に市町村の運営を任せる。そして、自分たちの声を代弁する議員を選んで行政と議会の両輪で市町村の繁栄を実現してほしいという思いで選挙が行われる。

 それぞれの地域の事情や考え方、方向性、政策の出し方によっても違うと思う。

―きょう、名護市辺野古の移設工事に伴って、沖縄防衛局が美謝川の切り替え工事に着手した。県にとっては防衛と協議を進めようとする最中に工事が開始した形になると思うが、受け止めと対応は。

 美謝川の水路整備工事については、公有水面埋め立て承認書に付した留意事項に基づき、事前協議が行われていた。環境に十分配慮した措置が講じられているかについて疑義があることから、県としては依然、この件についての協議は続いていると考えている。

 本件工事の実施にあたっては、林地開発協議が必要になる。沖縄防衛局から提出されていた書類に不備があることから、当局に書類の提出を求めていたところで、いまだ協議にすら至っていない。

 9月29日に、沖縄防衛局に協議が整う前に工事に着手しないよう文書で求めていた。本件工事に着手することは誠に遺憾であるとしか言いようがない。県との協議が整わない状況で、一方的に協議を打ち切り、工事を強行することは、到底納得できない。

―9月29日に嘉手納基地のF15がフレアを誤射したということで、民間地上空だった可能性もあるが受け止めは

 フレアの発射事故があったことは報告を受けている。おそらく、部局からは防衛局の方に、どのような経過でそのようなことになったのかの確認と、二度とそのような事故が起こることがないよう、しっかりと米軍に取り組むよう求めていると思う。その報告などがあったら、後刻、部局から報告させていただければと思う。

(記事・写真 宮古毎日新聞)

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