自公系が勢いづいた那覇市議選 衆議院沖縄1区への影響は?
- 2021/7/13
- 政治
任期満了に伴う那覇市議選(定数40)が11日に投開票された。「オール沖縄」を標榜し城間幹子市長(70)を支持する市政与党系は改選前から1人減の14人、自民公明が中心の野党系は5人増の19人が当選。野党系が大きく議席を伸ばす結果となった。結果を振り返りつつ、秋までに予定される衆院選沖縄1区の展望を読み解いた。(文中敬称略)
20代3人、女性は最多
今回の那覇市議選を特徴づけるキーワードは、「若さと女性」だろう。改選前の現職にいなかった20代は3人が初当選を勝ち取り、当選者40人のうち女性が過去最多の13人を占めた。
自民は3922票を集めて前回に続くトップ当選に輝いた奥間亮(34)、「まちぐゎーを守る」のキャッチコピーで話題を集めた外間有里(29)が存在感を放った。結党後初めての市議選となった立憲民主も3人が当選し、2720票を獲得した写真家の普久原朝日(26)がフレッシュさを印象づけている。7人全員が当選した公明は3人が新人で、世代交代を進めた。
社大は平良識子(42)が全体の2位当選で5期目を決めた。初当選の2005年が1位、09年6位、13年1位、17年4位と上位当選を続ける平良は昨年、那覇市副市長への起用が内定し社大を離党。だが城間市長らの根回し不足により市議会の承認が得られず、廃案に終わった。平良は今年5月に復党して当選を果たし、今や党勢が低迷する老舗ローカル政党に欠かせない存在となっている。
一方で、現職7人の全員当選を狙った共産は2人が落選の憂き目を見た。これまで「オール沖縄」を前面に掲げ各議員選挙で勢力を伸ばしてきただけに、市議選の結果は来る衆院沖縄1区の選挙戦にも影響を与えるものとして、政界関係者の間で波紋を広げている。
投票率過去最低も、自民は得票伸ばす
市議選の各党公認候補の得票データから、党勢の現在地を探っておこう。
公認候補の得票総数は、多い順に自民25254票(候補者12人)、公明19518票(7人)、共産12818票(7人)、立憲民主7082人(3人)、社大6268票(2人)、社民2052票(1人)だった(按分票の小数点以下は切り捨て)。
今回の投票率は過去最低の46.4%を記録し、投票者数は前回より1万2689人減った。だがそうした中でも、自民はわずかながら前回(12人で24557票)を上回る得票を集め、組織力の強さを裏付けた。投票率の低下を背景に公明(前回は7人21714票)や共産(7人15838票)は得票を減らしている。
オール沖縄勢力の中では社大が前回より得票数を伸ばし、2議席と少数勢力ではあるが安定した支持層を築いている。立憲民主との合流で一部が残った社民は、その影響力が陰っている。