沖縄で進む軍事拠点化 「台湾有事」を回避するために

 

1.南西諸島での対中国作戦計画

 南西諸島を対中国戦の戦場にする作戦計画が明らかになりました。12月24日、琉球新報と沖縄タイムスが共同通信の配信記事を一面トップで報じています。米海兵隊が提唱していた「遠征前方基地作戦」を自衛隊が受け入れ日米共同で実施するという内容です。「遠征前方基地作戦」とは、沖縄タイムスの「ことば」によると、「小規模の部隊と敵ミサイルの射程圏内にある複数の離島に展開させて攻撃拠点を確保し、味方の艦艇の行動を支援する」ものとあります。共同の記事では「海兵隊は相手の反撃をかわすため、拠点となる島を変えながら攻撃を続ける」とこの作戦の特徴を解説しています。

 与那国、石垣、沖縄本島、奄美、馬毛島の自衛隊の基地や米軍の基地を海兵隊が攻撃拠点に使うだけではなく、自衛隊や米軍の基地のない島々をも攻撃拠点として使います。米軍は敵(中国)を攻撃したら逃げます。だから反撃されても被害をうけなくて済みますが、前方基地に使われる島の住民は攻撃にさらされます。米軍も自衛隊も沖縄や奄美の住民を守るためではなく、対中国船の前線基地として沖縄や奄美を利用しようとしているのです。

 報道で自衛隊幹部は、「日本列島は米中の最前線。台湾を巡る有事に巻き込まれることは避けられない。申し訳ないが、自衛隊に住民を避難させる余力はないだろう。自治体にやってもらうしかない」(琉球新報・沖縄タイムス)と言っています。一方「有事(戦争)」の最前線にされる与那国町の町長はインタビューに、「初めて聞く」「逆に町民の命をどうするのかと聞きたい。安全に避難できる計画や準備は考えられているのか。そもそも一斉に避難できるのか。『米軍反対・自衛隊反対』以前の話だ。困ったものだ。あってほしくない」(沖縄タイムス)と答えています。

 獨協大学名誉教授の古関彰一さんが米公文書で発見して明らかにしたように、戦争が始まれば自衛隊はアメリカの指揮権の下で動くことになります(指揮権密約)。したがって沖縄本島の自衛隊は米軍の指揮下に入ります。

 今年1月7日の日米安全保障協議委員会(2プラス2)でも「日本の南西諸島を含めた地域における自衛隊の態勢強化の取組を含め、日米の施設の共同使用を増加させる」ことにコミットしました。米軍戦略の東アジアシフトと自衛隊の南西シフトが重なるのが東シナ海と太平洋を分ける沖縄、奄美、種子島など琉球弧の島々です。アメリカはこれに台湾を加えて第一列島戦と呼び、中国封じ込めのための防衛線と位置付けています。自衛隊は米軍の対中国戦略に組み込まれ、急速に琉球弧(南西諸島)の島々へのミサイル基地の配備と軍事要塞化を進めているのです。

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