「発展」ではなく「持続可能」な社会を 次期沖縄振興計画にツッコむ
- 2021/2/23
- 政治
全ての人に関係する「人権」の視点
提案プロジェクトの話し合いでは、人権についての言及が不足していることも大きな問題点の1つとして話題に上った。
目標にも掲げられ、玉城デニー知事も度々口にする「誰一人取り残さない」というフレーズは、世界人権宣言や日本国憲法にもある「基本的人権の尊重」にもつながる。そのことを踏まえて骨子案をみると、人権の保障についての文言が少ない上に、対象が限定的だという。
「LGBTや貧困、障がい、ルーツなどの多様性を巡る問題に関して、現在の骨子案には『マイノリティだから助ける』というニュアンスがあります。でも、これまで社会的弱者の問題として捉えられてきたものは、誰にでも当てはまるもので、誰でもマイノリティになりうることを忘れてはいけません。
人権を社会的弱者にだけ適用するのではなく、全ての人1人1人に関係するものという見方を反映させることで、沖縄21世紀ビジョンが実現した時に全ての県民がその恩恵を受けられることにつながります。
なので、先ずは保障の水準の最低ラインを上げること。そこからがそれぞれの権利の保障について、本当のスタートになると思うんです」
興味があるところからパブコメを出そう
沖縄未来提案プロジェクトは貧困対策、交通、環境、歴史・地域教育など約20の部会で、それぞれの関係者と県民を中心に有志50人以上が関わって議論を重ねている。WEBサイトでは各部会の議論の要点が読めるほか、パブリックコメントに使える資料のダウンロードもできる。
プロジェクトでは県の応募の期限となる2月28日にパブリックコメントをまとめて提出し、3月中に提言書をまとめて提出する予定だ。
石垣さんは「プロジェクトでの取り組みをきっかけにパブコメを出そうという人が少しでも増えたらうれしい。県民全ての未来に関わることなので、多くの人に興味を持ってもらいたい」と語った。