「変化余儀なくされた」 玉城知事、尖閣国有化で見解
- 2022/9/17
- 政治
沖縄県の玉城デニー知事は16日、県庁の定例会見で、2012年9月11日に尖閣諸島を国有化してから10周年を迎えたことについて、尖閣諸島は我が国の領土領海であるということは歴史上も明らかであるとした上で、「(日中両政府で)いわゆる『棚上げ』という考え方に基づいていた状況が、国有化によって、状況の変化を余儀なくされた」と述べた。
尖閣諸島を巡っては、2010年9月に同諸島付近で違法操業していた中国漁船と、取り締まりを行っていた海上保安庁の巡視船が衝突。同庁は、漁船の船長を逮捕して事情聴取を行った。船長は釈放されたが、日本と中国の対立が深まった。
その後、当時の石原慎太郎都知事が、尖閣諸島を東京都で所有したい意向を示したことから、民主党政権の野田佳彦内閣が国有化を決めた。
玉城知事は、国会議員だった当時を振り返り、両国間で十分に議論をする必要があったのではないかと指摘し、「新たな国境を巡っての紛争を引き起こすような形になってほしくないとの思いで、国会でもさまざまな活動をしていた」と語った。
また、尖閣諸島周辺海域の平和が安定的に維持されることや、漁業者や周辺住民が不安に陥ることがないようにするために「丁寧な外交での安全対策を講じていただきたい」と強調した。
さらに、沖縄県知事として役割について、平和を希求する思いを国際社会にしっかり発信していきたいとの考えを示した上で「国連における発言の機会があれば、ぜひ活用したい」と述べた。
今年が沖縄県と中国福建省の友好県省締結から25周年を迎えたことにも触れ、お互いの友好関係を確認しながら、交流や物流、人流について積極的に協力することを確認するための企画を進めていることも明らかにした。
県の担当者は取材に対し、今年中にオンラインを活用した記念式典などの開催に向け、福建省側と調整していると説明した。
(記事・写真 宮古毎日新聞)