選挙と振り返る沖縄の2020年(前編)

 
ポスター掲示板
那覇市内に設置された県議選ポスターの掲示板

 改めて語るまでもなく、新型コロナウイルスの流行に世界中が翻弄された2020年。沖縄県内はしばらくの間抑え込みに成功していましたが、「米軍基地」と「観光」という沖縄を特徴づける2つの要素によって感染が拡大していき、政治はその対応に追われた1年となりました。

 飲食店やエンターテインメント産業をはじめ、さまざまな業界が感染拡大防止のため自粛を求められたものの、民主主義の根幹である選挙については「不要不急の外出には当たらない」(2020年4月7日参議院議員運営委員会:安倍総理答弁)として、通常通りの日程で実施されてきました。

 今年は国政選挙はなかったものの、東京都知事選挙や大阪市の住民投票などな選挙・投票が執行され、沖縄県内でも県議会議員選挙を含め、13件の選挙が行われました。今回は特に沖縄県内の選挙についてそれぞれ振り返ってみたいと思います。

国頭村長選挙〜前副村長が無投票で当選(3/10告示)

 国頭村長選挙は2期8年勤めた現職の宮城久和氏が勇退を決め、村役場職員を経て副村長を勤めた知花靖氏が無投票で当選を決めました。国頭村長選挙は2012年、2016年、今回と3回続けての無投票となりました。

沖縄県議会議員選挙〜県政与党がかろうじて過半数を維持(5/29告示 6/7投開票)

 玉城デニー県知事の下で行われた初めての県議会議員選挙では、定数48のうち玉城知事を支援する立場の県政与党が25議席を獲得し、過半数を維持しました。
 この選挙では13ある選挙区のうち、名護市、うるま市、浦添市、石垣市の各選挙区が無投票で当選者が決まりました。

 全国で新型コロナウイルスが感染拡大する中で執り行われたこの選挙では、事務所開きや決起大会、演説会など人を集めて行う選挙運動での感染対策を万全にしたり、規模を縮小したりといったこれまでにない気遣いが必要とされる一方、インターネットを用いた選挙運動はこれまで以上に活発に利用されました。激戦区では当選4回・70代のベテラン候補者がInstagramを利用して、支持者や大物政治家らとのツーショット写真をストーリーズにアップするなど、これまでになかった光景が広がっていたのも今回の特徴でした。

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