選挙と振り返る沖縄の2020年(後編)
- 2020/12/10
- 政治
前編に引き続き、2020年に実施された沖縄県内の選挙について振り返ってみましょう。後編は下半期の町村選挙が中心になります。
中城村長選挙/中城村議補欠選挙〜現職村長が3期連続無投票当選(6/2告示 6/7投開票)
同じく県議選と同日投開票となった中城村長選と村議補選。村長選挙については現職の浜田京介氏が無投票で4期目の当選を決めました。浜田氏は2008年の初当選以外、全ての村長選挙を無投票で決めています。
2019年末に酒気帯び運転で逮捕され、議員辞職した外間博則氏が持っていた議席を争う補欠選挙には4人が立候補。県内の高校教員・副校長を歴任した玉那覇登氏が当選を決めました。この選挙に立候補していた張世険峰氏は2004年に日本国籍に帰化した中国出身の旅行会社経営者で、前回の村議選では213票で次点に終わりましたが、今回は708票まで票を上積みしました。
西原町議補欠選挙〜県議選直後の補欠選挙(6/30告示 7/5投開票)
地方議会議員の補欠選挙は、欠員が1/6を超えた際に実施されます。西原町議会は定数が19で、議員の崎原盛秀氏が町長選挙立候補のため、さらに上里善清氏、仲松勤氏、与那嶺義雄氏の3氏が沖縄県議選立候補で議会を去ったため、欠員4となり実施されました。7期連続で当選を重ねていたものの2018年の選挙で次点に終わったベテラン77歳の儀間信子氏がトップで返り咲き、続いて自民党青年局の27歳儀間駿太郎氏、精神保健福祉士の山城勝貴氏、元消防署職員の大田實氏が当選。1990年に26歳で初当選してから4期町議を勤めた元職の新田宗信氏は2016年の補欠選挙以来の挑戦となりましたが及びませんでした。
粟国村長選挙〜島を二分する激戦(7/14告示 7/19投開票)
有権者数582人の粟国村では、毎回島を二分するする激しい選挙戦が展開されます。今回も現職で4期目を目指した新城静喜氏と、村の総務課長を勤めた高良修一氏の一騎打ちの争いとなり、約100票差で高良氏が当選しました。投票率は92%と驚異的な数字となっています。また、この選挙では投票者数533人に対し投票総数が534票と、投票者数と投票総数が合わず、有権者1人に投票用紙を2枚渡してしまったと思われるミスが発生しています。粟国村では2019年の参院選でも期日前投票所で選挙区の票投票用紙と比例の投票用紙を逆に渡してしまい、140票が無効になってしまうというミスがありました。
今帰仁村長選挙〜オール沖縄支援の現職村長が落選(8/4告示 8/9投開票)
今帰仁村長選挙も粟国村同様、激しい争いとなりました。玉城知事をはじめとしたオール沖縄が支援した現職の喜屋武治樹氏と、保守系の政治団体が支援した新人の久田浩也氏が争う構図でしたが、知事選のように支持層を固めることができず、革新系の一部が久田氏の支援に回るなど地域の中で微妙な軋轢を残し、最終的に僅差で久田氏が村長の座を手にしました。