県内景況2カ月連続で上方修正 日銀那覇支店「持ち直しの動きがみられる」
- 2020/12/9
- 経済
日本銀行那覇支店(一上響支店長)は9日、12月の県内金融経済概況(主要指標10月)を発表した。足元の県内景気について、引き続き厳しい状況にあるとしながらも、「持ち直しの動きがみられる」として景況判断を2カ月連続で上方修正した。
一上支店長は景気全体の判断を「県の主要産業である観光に関する判断と全く同じ」と述べた上で、観光について「10月からGoToトラベルに東京発着が追加された影響などで、11月もリゾートホテルを中心にさらに回復したという話が聞かれている。観光を起点とした波及効果を含めた上で判断した」と述べた。
県が発表している10月の入域観光客数は34万1200人。前年同月比では約6割の減少だが、今年9月の入域観光客数22万7600人と比べれば1.5倍に増加している。同支店の調査でも、県内主要ホテルの稼働率は10月に44.4%となり、9月に比べて16.4ポイント上昇した。
雇用・所得情勢は下方修正
一方、同支店は、雇用・所得情勢については「ひと頃に比べて悪化している」との表現に変更し、これまでの「悪化しつつある」との判断から4カ月ぶりに下方修正した。
新型コロナウイルスの影響を受け、昨年10月に1.34倍だった県内有効求人倍率(就業地別)は、今年9月には0.71倍まで低下。10月には0.73倍とわずかに上昇したものの、厳しい状態が続いている。完全失業率も(季調済)も、10月は前年同月比1.12ポイント悪化の3.76%まで上昇した。
一上支店長は、雇用・所得情勢では「ここ数カ月をならしてみると、悪化していることが明確になっている」との見解を示した。