県内景況2カ月連続で上方修正  日銀那覇支店「持ち直しの動きがみられる」

 
12月の県内金融経済概況を発表する日銀那覇支店の一上響支店長=9日、那覇市の日本銀行那覇支店

 日本銀行那覇支店(一上響支店長)は9日、12月の県内金融経済概況(主要指標10月)を発表した。足元の県内景気について、引き続き厳しい状況にあるとしながらも、「持ち直しの動きがみられる」として景況判断を2カ月連続で上方修正した。

 一上支店長は景気全体の判断を「県の主要産業である観光に関する判断と全く同じ」と述べた上で、観光について「10月からGoToトラベルに東京発着が追加された影響などで、11月もリゾートホテルを中心にさらに回復したという話が聞かれている。観光を起点とした波及効果を含めた上で判断した」と述べた。

 県が発表している10月の入域観光客数は34万1200人。前年同月比では約6割の減少だが、今年9月の入域観光客数22万7600人と比べれば1.5倍に増加している。同支店の調査でも、県内主要ホテルの稼働率は10月に44.4%となり、9月に比べて16.4ポイント上昇した。

雇用・所得情勢は下方修正

 一方、同支店は、雇用・所得情勢については「ひと頃に比べて悪化している」との表現に変更し、これまでの「悪化しつつある」との判断から4カ月ぶりに下方修正した。

 新型コロナウイルスの影響を受け、昨年10月に1.34倍だった県内有効求人倍率(就業地別)は、今年9月には0.71倍まで低下。10月には0.73倍とわずかに上昇したものの、厳しい状態が続いている。完全失業率も(季調済)も、10月は前年同月比1.12ポイント悪化の3.76%まで上昇した。

 一上支店長は、雇用・所得情勢では「ここ数カ月をならしてみると、悪化していることが明確になっている」との見解を示した。

次ページ:

1

2

関連記事

おすすめ記事

  1.  サッカーJ3のFC琉球が、第2次金鍾成(キン・ジョンソン)監督体制下の初陣を白星で飾った…
  2. 今季から琉球ゴールデンキングスに加入したアレックス・カーク(左から2人目)やヴィック・ローら=16…
  3.  FC琉球の監督が、また代わった。  サッカーJ3で20チーム中18位に沈む琉球は1…
  4. 戦前に首里城正殿前に設置されていたバスケットボールゴールを再現した首里高校の生徒ら=8月27日、那…
  5.  8月12日、浦添市のアイム・ユニバースてだこホール市民交流室は熱気が渦巻いていた。ステー…

特集記事

  1. 再びFC琉球の指揮を執ることになり、トレーニング中に選手たちに指示を送る金鍾成監督=19日、東風平…
  2. ヴィック・ロー(中央)の入団会見で記念撮影に応じる琉球ゴールデンキングスの(左から)安永淳一GM、…
  3. 沖縄県庁  沖縄県は、地域の緊張を和らげようと、4月から「地域外交室」を設置し、照屋義実副知…
ページ上部へ戻る ページ下部へ移動 ホームへ戻る 前の記事へ 次の記事へ