【那覇市長選】自民党県連、副市長の知念覚氏を擁立決定

 
選考委員長の国場幸之助衆院議員

 10月16日告示、23日投開票の那覇市長選で、自民党沖縄県連は24日、現副市長の知念覚氏(58)を擁立することを決めた。同日に那覇市内で開かれた選考委員会を経て、委員長の国場幸之助衆院議員と副委員長の仲村家治県議が会見で発表した。選考委によると、知念氏の擁立は全会一致で決定され、知念氏自身も「選考委員会で決まったことの重みを踏まえて、那覇市のために全身全霊で頑張っていきたい」と、出馬の意向を示しているという。

「市民第一」の姿勢に共感

那覇市役所

 知念氏には今後、自民、公明の両党から推薦が出される見通し。国場委員長は知念氏が選考された経緯について「『県都・那覇市のあるべき姿として、イデオロギーではなく市民を第一とするのは、自公体制でしかできない』という思いがにじみ出るような発言があったことが、選考委員の共感を得た」と説明した。今後、本人の出馬会見が設けられる。

 6月以降、これまでに6回の幹事会と4回の選考委員会が開かれた。擁立の候補者としては知念氏の他に、新垣淑豊県議、西銘啓史郎県議、上里直司市議の名前が挙がっていた。選考基準としては、
①コロナ禍や物価高からの経済再生や福祉の向上に明確なビジョンを持ち、その手腕を発揮できる方
②那覇軍港の移設と跡地利用を推進する考えがある方
③普天間基地の移設に関しては、名護市長、宜野湾市長と同等の見解を持つ方
④知事選の日程を鑑み、自民党・公明党などの推薦候補としての動きに期待できる方
⑤候補に選ばれなくても、候補と決定した方を全力で応援することを約束できる方
の5点が定められていた。

 知念氏は8月31日まで副市長としての任期がある。退任後には、9月11日投開票の沖縄県知事選で、前宜野湾市長の佐喜眞淳氏(58)=自民、公明推薦=を応援する姿勢を示しているという。

 報道陣から、城間幹子市長からも応援してもらいたいとの思いがあるかを問われた国場委員長は「私の思いとしては」と前置きした上で「城間市長も含めて多くの市民から共感してもらえるような候補だと思っていますので、みなさんに支援を募っていきたいと考えています」と述べた。

対抗馬には翁長雄治県議

 那覇市長選に関しては、現職の城間幹子市長を支持する立場のニライ、日本共産党、立憲民主・社大の各会派からなる「オール沖縄・那覇市長選挙候補者選考委員会」が翁長雄治県議に出馬を要請し、翁長氏もこれを受諾することを明らかにしている。

知念覚(ちねん・さとる)
1963年生まれ、那覇市出身。1985年に那覇市役所に入職。総務部副部長、総務部長を経て2013年から副市長。市長選に先立って辞表を提出している。沖縄大学卒。

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長濱 良起

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フリーランス記者。
元琉球新報記者。教育行政、市町村行政、基地問題の現場などを取材する。
琉球大学マスコミ学コース卒業後、県内各企業のスポンサードで世界30カ国を約2年かけて巡る。
2018年、北京・中央民族大学に語学留学。
1986年、沖縄県浦添市出身。著書に「沖縄人世界一周!絆をつなぐ旅!」(編集工房東洋企画)

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