葉野菜冷凍技術を検討 沖縄県議会9月定例会一般質問2日目
- 2021/9/29
- 政治
9月27日の県議会9月定例会は一般質問の2日目を迎え、初日と同じく沖縄・自民の8人が登壇した。新型コロナ関係の質問の他、与那国町への観光目的船舶の係留施設の設置や、農家の所得向上を目指した葉物野菜の瞬間冷凍技術についての質問がされた。
与那国に観光船係留施設、調整へ
与那国町の久部良漁港への、観光を目的とした船舶の係留施設の設置実現に向けて、各種事業を活用して「実施可能」とし、県は与那国町との調整に入るとした。大浜一郎氏(沖縄・自民)に対する下地常夫農林水産部農政企画統括監の答弁。地域住民との合意形成を基礎とした活性化計画に向けて動き出す。
また、石垣市選出の大浜氏は、石垣市が県に対して尖閣諸島に新しい行政標柱設置を要望していることに関連して「1969年に設置した標柱の取り換えだ。県は石垣市と歩調を合わせて国に上陸申請をすべきだ」と述べた。金城賢知事公室長は「尖閣諸島を後世に責任をもって引き継ぐ。一方で上陸に際して職員の生命・身体の安全や中国の違法行為のエスカレートが懸念される。(尖閣諸島を)所有する国において適切に判断されるもの」と答弁した。
県警本部長、市民運動に「極左暴力集団の参加を確認」
日下真一県警本部長は、米軍基地建設などへの抗議活動について「極左暴力集団が参加していることを確認している」とした。中川京貴氏(沖縄・自民)への答弁。
「極左暴力集団」について、警察庁は主なものとして「革マル派」「中核派」「革労協」を挙げており、左派政党である日本共産党とも対立している。
中川氏は自らも米軍嘉手納基地の騒音問題や事件事故に抗議する集会に参加していた経緯から「県民はパネルを持ったりノボリを立てたりして反対の意思を示している。基地が無い方が良いという願いから抗議している」と、抗議に参加する一般県民との線引きを明確にしつつ、県警に対応を求めた。
葉物野菜の瞬間冷凍技術 副知事「検討したい」
新垣新氏(沖縄・自民)は農家の所得向上につながるとして、葉物野菜の瞬間冷凍技術の実証実験を行う意欲の有無について問うた。農家からの要望で「世界的で画期的なこと」とし、産官学での取り組みを求めたことに対し、照屋義実副知事は「葉物野菜の生産農家は多い。価格を安定的に保つことができるのなら前向きに進めるべきだと考えている。課題を把握して取り組めるか検討したい」と答弁した。
海底資源開発に前向き
さらに、沖縄県の「新たな振興計画」の素案で施策に位置付けている海底資源開発について、玉城デニー知事は「広大な海域から得られるあらゆる恵みをしっかりと開発して、次世代につなげていきたい」と前向きな姿勢を示した。花城大輔氏(沖縄・自民)への答弁。
照屋守之氏(沖縄・自民)は冒頭、質問通告27項目中25項目を取り下げ、県立中部病院のクラスター発生に関する照屋氏からの電話が原因で、県病院事業局の職員が心身不調の末に病休したとされる件に関して質問した。照屋氏は、県行政と議員の関係性などからパワハラを否定。「社会的な信頼を完全に失った。議員として致命的なこと」と語気を強めた。我那覇仁病院事業局長は「職員の話を聞き、議員からの電話に関連したことは明らか。関連があるとの診断もある」と説明した。