【沖縄県知事選】間もなく投票!各候補者の教育・子育て政策の目玉は?
- 2022/9/7
- 政治
沖縄県知事選挙投開票日まであと4日となった。元郵政民営化担当相で無所属新人の下地幹郎氏(61)、前宜野湾市長で無所属新人の佐喜眞淳氏(58)=自民、公明推薦=、2期目を目指す無所属現職の玉城デニー氏(62)=立民、共産、社民、社大、にぬふぁぶし、れいわ推薦=(届け出順)の3候補者が選挙戦を繰り広げている。
県政運営をする上で様々な課題が積み上がっている中でも、県民の暮らしに直結し注目度が高いトピックの1つは教育と子育てだろう。沖縄の「子どもの貧困」が社会課題として大きく取り上げられるようになって久しく、これまでの施策でも一部改善はしているが解決に至る道程はまだまだ遠い。そうした点も踏まえながら、各候補者がどのような教育・子育て政策を掲げているのか整理してみよう。
下地氏「教育費完全無償化で教育の平等を」
下地氏が目玉政策の1つとして掲げているのは「教育費の完全無償化」だ。保育園から大学・専門学校までの授業料、給食費、朝食の提供、さらに18歳未満の医療費の全ての無料化を実施し、世帯の所得に関わらず全ての子どもたちに教育のチャンスを与えることを強調する。この施策を推進することで教育の平等、所得格差の是正、人材の発掘を実現し、ひいては子どもの貧困を解決すること、そして沖縄の将来的な発展に寄与すると主張している。
無償化については、上記項目全てを達成するために550億円の予算を試算しており、その財源には初年度は自主財源から200億円、残りは県債を発行して確保し、2年度目からは教育税を新たに設けて県民に課税すると説明している。
無償化のほかにも、学習塾・習い事の月謝への月3万円上限の給付、スポーツや文化活動での県外遠征費用の補助についても言及した。
佐喜眞氏「“子ども特区”で子育てしやすい沖縄に」
「子ども特区」の導入を打ち出す佐喜眞氏は、給食費・保育日・子ども医療無償化を実現することで「日本一子育てしやすい沖縄」を目指す。子どもの貧困の連鎖を断ち切るための幼少期から成人に至るまでの保育・教育支援に加えてキャリア・就労支援に取り組むほか、子ども食堂や無料学習塾などの子どもの居場所を継続的・安定的に運営するための支援も訴える。
さらに、大人の代わりに家族の世話や介護を担うヤングケアラーについても、実態把握と支援に取り組むとしているほか、待機児童ゼロと、保育士の養成支援と同時に処遇改善を図ることにも触れた。
教育の支援では、不登校の子どもたちへの対応として不登校教室や不登校支援センターの設立の推進に加えて、いじめ対策センターの設立といじめ防止プログラムの導入についても明言。さらに、高校生の通学バスの無料化も強調し、子育て世代にアピールしている。
玉城氏「子どもの権利ファースト」
玉城氏は、子どもは「沖縄の未来」として「子どもの権利ファースト」を標榜する。子どもの貧困については、対策費を増額することで給食費、バスやモノレールでの通学費を無料化、さらには就学援助と給付型奨学金の拡充にも取り組む。
妊娠・出産・育児に関する様々な相談に応じる窓口である「母子健康包括支援センター」の機能充実化で若年妊婦も含めた全ての妊産婦を支える体制づくりを整え、保育士の確保と拡充を進めて待機児童の解消も図ることで、総合的な子育て環境の充実化への道筋を示している。
また、「子どもたちを守り、育てる」として、放課後児童クラブなどへの支援や児童相談所の人員拡充と質的向上を図ることで、子どもと若者の多様な居場所づくりの推進を強調。さらに、子どもの権利擁護の観点から、ヤングケアラーへの具体的支援の充実化や、発達障がい児支援の強化によって、困難を有する子どもと若者、そしてその家族をサポートすることも主張している。
9月11日に投開票となる県知事選は、これから4年間の沖縄を舵取りする人物を決める重要な選挙だ。教育と子育てについての政策は子育て世代の保護者にも、そして未来を担う子どもたちにも大きく関係する。今現在の目の前の生活とともに、子どもたちの将来を見据えた選択をしてほしい。
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