宜野湾市長選に松川氏、仲西氏が出馬予定 普天間問題抱える市
- 2022/7/24
- 政治
9月11日に投開票される沖縄県宜野湾市長選挙には、7月24日までに、2期目を目指す現職の松川正則氏(68)と、「9.29県民大会の会」会長で「オール沖縄」勢力が支援する仲西春雅氏(61)の2人が立候補を表明している。2018年の前回選挙では新人同士だった両氏が一騎打ちで闘っており、今回の市長選も前回と同じ構図となりそうだ。米軍普天間飛行場を抱える宜野湾市。大きな争点の一つは普天間飛行場の名護市辺野古への移設問題だ。
前回選挙と同じ構図
前宜野湾市長・佐喜眞淳氏が知事選出馬のために辞職したことで実施された前回選挙では、松川氏が26214票、仲西氏が20975票をそれぞれ獲得している。当時、松川氏を自民、公明、維新が推薦し、仲西氏を社民、共産、社大、自由、国民、立民が推薦していた。
今回の市長選でも、普天間飛行場の辺野古移設の是非を巡って松川氏が容認、仲西氏が反対と対立していることから、前回同様「政権与党支援VSオール沖縄支援」の構図となる公算だ。宜野湾市では沖縄県知事選、宜野湾市議選と併せてのトリプル選挙となる。
悲願でもある普天間返還
宜野湾市は沖縄本島中部に位置する人口約10万人、沖縄県下では5番目の規模を持つ市だ。10万都市ではあるものの、人口密度としては埼玉県所沢市や兵庫県西宮市に匹敵するほどの過密さで、市の中央部を大きく占める普天間飛行場は、その危険性や騒音面だけでなく、経済振興の阻害となるから、保革を問わず早期返還が長年望まれてきた。
移設容認の松川氏「目に見える形で負担軽減実証」
宜野湾市議会与党議員や経済界から出馬要請を受けたという松川氏は、6月8日の出馬表明会見で「やはり普天間飛行場の閉鎖・返還、これが一番大きな課題だと今も毎日感じております。日米両政府に対してこれまでも要請や抗議も続けています。4月には玉城デニー沖縄県知事にも直接要請をしましたが、なかなか話がかみ合いませんでした」と一筋縄ではいかない普天間問題の難しさに触れながら「毎日(辺野古の)工事や埋め立ては進んでいます。現状としては選択肢がない中で、普天間飛行場の辺野古移設は容認せざるを得ない。何としても普天間飛行場の1日も早い閉鎖返還をして、負担軽減を目に見える形で実証したい」と話した。出馬にあたっては自民党や公明党からの推薦を求める考えも示している。
移設反対の仲西氏「閉鎖・返還を最初にすべき」
「新たな基地は認めず、普天間飛行場の運用停止と一刻も早い閉鎖返還を強く求めます」と述べたのは、7月23日に出馬表明会見に臨んだ仲西氏だ。辺野古への移設反対を明確にしつつ「辺野古の新基地は完成させるために10年以上もかかると言われています。この計画は『普天間の一日も早い危険性除去』につながるとは考えられません。閉鎖返還こそが最初にすべきことだと思います」と述べた。基地から派生する様々な問題に対しても「(有機フッ素化合物である有害物質の)PFOS汚染水や土壌汚染の検査が市民から要請されているのにも関わらず、県や国任せにしている。市民の命が危険にさらされているのに何もしないのは、行政の怠慢と言わざるを得ません」と現市政を批判した。