2期目の政策など語る 再選の玉城デニー氏、一夜明けインタビュー

 
選挙戦から一夜が明けて、宮古・八重山マスコミ各社のインタビューに応える玉城デニー氏=12日、同氏の選挙対策事務所(那覇市)

 沖縄県知事選挙で勝利し、再選を果たした玉城デニー氏(62)が選挙戦から一夜が明けた12日、インタビューに応じた。同選挙で玉城氏は33万9767票を獲得し、次点の佐喜真淳氏(58)に6万4923票の差をつけて当選を決めた。2期目の政策などを聞いた。

一夜明けての感想をお願いします

  約34万票という県民の信任を得られたことをうれしく思う。在任期間中、首里城火災や豚熱の発生、新型コロナなどの災難に見舞われたが、県庁職員と一丸となって県民の暮らしを守り、県政発展のために取り組んだことが評価され、ほっとした思いだ。

選挙戦勝利の要因は何だと考えますか?

 私は辺野古での新基地建設には明確に反対の意思表示をしてきた。現職4年間の評価を受ける立場だったが、新型コロナへの対応を行いながら「子どもの貧困問題」など、社会全体の取り組みを推進したことが多くの県民に支持されたのだと思う。

県経済回復への戦略を聞かせ下さい

 コロナ禍の影響で、観光関連を中心とする経済に大きなダメージを受けた。「稼ぐ力」への取り組みを強化していくことが大事だ。コロナ対策でも、落ち込んだ経済を回復から成長へとつなげていくことを想定しながら対応してきた。そのかいあって、国の制度、財源を活用しながら、県単独の予算も投入して、サポートすることについては一定程度できてきたと思う。

 これからは、沖縄の持つソフトパワーを発揮できるように、感染症対策をしっかり行いながら、経済効果が出ることができるよう振興計画に重ねて方向性を展開してきたい。

国との関係性について

 米軍基地問題について、普天間の危険性除去を優先するべきで、辺野古への新基地建設は認められないということが明確になった。政府が沖縄県との対話で解決の糸口を作るべきだということを、これからも言っていきたい。

 他方で、沖縄振興計画については、新しくスタートした新沖縄21世紀ビジョン基本計画も、政府の基本方針としっかりかみ合っているからこそ、新しい沖縄振興特別措置法もブラッシュアップして整理され、新計画もスタートしている。そのことについては国と十分に協議が出来ているので、必ずしも国と県が対立ばかりしていることでは絶対にない。

 今年度、次年度の予算は削減の方向にあるが、市町村、業界団体の要望を踏まえ、離島を含めどういうことが必要なのかを聞いて、内閣府に予算をお願いしている。しっかりと協議をし、各予算措置をする関係省庁の担当者と意見交換をしてきた。

尖閣諸島問題への対応

 中国のミサイル発射で、県民、国民、離島の方々は非常に大きな衝撃を受けたと思う。有事を偶発させるような要素は絶対に作ってはならない。日中関係は経済、文化など非常に大きなウェイトを占めている現状がある。

 離島の安全保障を守る意味でも、冷静かつ戦略発展的な関係を維持することにつきる。それをうまく進めることができれば、有事のおそれも、有事につながるような稚拙な外交姿勢も正しいものに整えられていくと思う。そういう方針を、日本政府は堅持すべきだと、アジア諸国と連携して平和的な外交に徹してほしいと、これからも要請していきたい。

2期目の意気込みをお願いします

 誰一人取り残すことがない優しい島づくりを目指しデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進して、その恩恵が受けられるよう取り組んでいく。SDGsを目指し、安全安心で幸福に暮らせる島を作っていきたいという強い思いがある。

 将来の世代を考えた場合、環境基盤というものを作り上げれば、県のどこにいても働ける環境が作れる。持続可能な発展を目標にしているので、ユニバーサル、レスポンシブルなツーリズムも構築していく。沖縄らしい優しい社会の実現に向けて、さまざまな政策に取り組んでいきたいと思う。

(記事・写真 宮古毎日新聞)

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