沖縄県知事選まで1カ月 コロナ禍の県政運営の評価、「保守分裂」の影響は…

 
県知事選への出馬を表明している(左から)玉城デニー氏、下地幹郎氏、佐喜眞淳氏

 8月25日告示、9月11日投開票の沖縄県知事選挙まで、残り1カ月となった。米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に反対する「オール沖縄」勢力が推す現職の玉城デニー氏(62)=立民、れいわ、社民、社大推薦=、自民党県連が擁立した前宜野湾市長の佐喜眞淳氏(58)=自民、公明推薦=、元郵政民営化担当相の下地幹郎氏(60)が既に出馬を表明。各候補は県内各地で事務所開きや街頭での挨拶運動、政策発表などをこなし、前哨戦が熱を帯び始めている。他にも出馬を検討する動きはあるが、この3人を軸に選挙戦が展開されていく公算だ。

各候補に頭痛のタネ

直近2回の沖縄県知事選の結果

 玉城氏にとっては、経済と医療のバランスなどコロナ禍で難しい舵取りを迫られた1期4年の県政運営に対する審判が下る。反対を掲げる辺野古移設については国の埋め立て工事を止めるための実効性のある手段が見出せず、この辺りを有権者がどう評価するのかが注目される。

 4年前は県知事選で過去最多の396,632票を得た玉城氏だが、当時はオール沖縄をつくった翁長雄志前知事の死去に伴う「弔い合戦」の性格が濃かったため、「今回はあそこまで取ることはない」(佐喜眞陣営関係者)という見立てが多い。オール沖縄はこの4年間で革新色を強めており、8年前の選挙で翁長氏を支援した経済界関係者は「翁長の亡霊はもういない」と衰退を指摘する。コロナ禍において行政の支援の薄い観光業界から不満が噴出しているほか、県立中部病院で大規模クラスターが発生した際の公表の遅れや県の有識者会議における「ゼレンスキーです」発言で県議会与党からも批判の声が上がるなど、求心力をどこまで維持できるかが焦点となる。

 一方、最も有力な対抗馬となる佐喜眞氏は約8万票の大差で敗れた4年前のリベンジを誓うが、8年前の知事選で7万票近くを獲得した下地氏が出馬を表明したことで「保守分裂」の様相となり、厳しい戦いを強いられている。

 また、銃撃により死去した安倍晋三元首相の事件でクローズアップされた世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関わりも逆風となりそうだ。玉城陣営の関係者も「下地氏の出馬以上に統一教会の影響が大きいのではないか」と推測する。佐喜眞氏は関連団体の会合に数回参加したことを認めた上で、旧統一教会の宗教行事であるとの認識はなく、「誤解を招くような経緯があったことにつきましては深く反省しております」と火消しを図ったが、旧統一教会と政治との関わりに対する社会的な批判は依然として大きく、頭痛のタネとなっている。

 下地氏は衆議院選挙1区の選挙区で4回連続で落選している。2020年にはカジノを含む統合型リゾート(IR)事業を巡る汚職事件で中国企業側から100万円を受領したことが発覚し、比例復活により当時所属していた維新から除名処分を受けた。その後、自民への復党に向けた動きが不発に終わるなど政党の後ろ盾を失っており、各陣営からは「8年前の知事選ほどは取れないのでは」と見る向きが多い。

 ただ保守地盤とされる地元の宮古島で強さを誇るほか、落選した昨年10月の衆院選では大票田の那覇市を含む1区で29,827票を獲得している。当選へのハードルは極めて高いが、同じく全県選挙となった今年7月の参院選のように接戦となった場合、結果に影響を与える可能性は十分にある。

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