【沖縄県知事選】佐喜眞氏が政策発表「普天間返還2030年までに」
- 2022/8/9
- 政治
9月11日投開票の沖縄県知事選挙に出馬を表明している前宜野湾市長の佐喜眞淳氏(58)=自民、公明推薦=は8月9日、那覇市の沖縄ハーバービューホテルで会見を開き、政策を発表した。
「未来政策」と銘打った約80の政策のうち、目玉政策としては「子ども特区」の導入による給食費、保育費、子ども医療費の無償化実現や、観光関連産業を中心にした1000億円規模の支援など、子育てや経済関連の政策を中心に据えつつ、米軍普天間飛行場の返還については、移設が計画される名護市辺野古の埋め立て工期短縮や県外飛行場の活用、訓練移転などによって「2030年までに実現する」とした。
知事選には現職の玉城デニー氏(62)、前衆議院議員の下地幹郎氏(60)の2人が先月までに出馬を表明している。
「政策の実現が公約の柱」
選挙母体「経済・危機突破!県民の会」の会長である松本哲治浦添市長は会見の冒頭、「200近い政策提言の中から、財源の裏付けなど全てのことについて、実現可能な政策だけを厳選しています」と断言した。佐喜眞氏自身も「経済・危機突破を必ず行う。私ならできる、やる。実現をする。それが私の公約の柱です」と約束した。
目玉政策には他に、子ども特区導入や観光関連産業の支援、普天間飛行場の2030年までの返還の他に、電気・ガス・ガソリン・食料品などの物価高対策、那覇-名護間を1時間で結ぶ南北縦貫鉄軌道の早期実現を挙げている。
「県に観光復興組織設置で的確対応」
80政策の大項目として①コロナ禍や物価高騰で苦しんでいるすべての県民・企業を救う②「子ども特区」で日本一子育てしやすい沖縄を実現③みんなの所得大幅アップで豊かさを実感④すべての県民の命と暮らしを守り抜く⑤いまこそ対立から対話へ―を「沖縄再生のための5つの柱」として掲げた。
①のコロナ禍や物価高騰への対策については「ワクチン接種率が全国最下位なのは、現知事が市町村との連携を積極的に行わなかった結果だ」とし、市町村との連携を進めて接種率を全国並みにした上で、水際対策のモデル地域を目指すとした。また、コロナ禍での企業支援として「沖縄振興開発金融公庫との連携で返済延長などを含めた資金繰りの支援を行います」とも述べた。
②の子育て支援について佐喜眞氏は「子どもたちに投資することは極めて重要なテーマ」だとして、ヤングケアラーの実態把握、待機児童ゼロ、保育士の養成・処遇改善を盛り込んだ。また、不登校やいじめといった、教育現場と家庭間に生じる問題についても支援・対策を図る。伝統文化の担い手育成や発信拠点整備にも言及している。
③の県民所得向上については、コロナ禍で沖縄経済がダメージを受ける中「しなやかで強い経済で、県民所得の大幅アップを実現します」とした。とりわけ観光業界への対応については「県に復興組織を設け、知事や副知事、観光事業者が意見交換することで的確に対応できるようにしていきたい」と踏み込んだ。女性のキャリア形成や管理職登用の促進など、女性がより活躍できる社会を目指すほか、世界的な名門大学の誘致による起業家人材の増加や、沖縄科学技術大学院大学の活用で高度な専門人材の育成を実現させる。