佐喜眞淳氏が沖縄県知事選に出馬表明 「経済危機突破」掲げる

 
知事選への出馬を表明する佐喜眞淳氏=8月5日、那覇市の沖縄ハーバービューホテル

 任期満了に伴う沖縄県知事選挙(8月25日告示、9月11日投開票)に向けて8月5日、前宜野湾市長の佐喜眞淳氏(57)が那覇市の沖縄ハーバービューホテルで会見を開き、出馬表明を行った。特に、コロナ禍や物価高騰でしわ寄せを受ける経済分野への影響に対して「県のリーダーは一体何をしているのでしょうか。今の危機は県政によってもたらされた『県政危機』に他ならないと考えております」と玉城デニー知事を批判し、県政奪還への決意を見せた。

 会場には支持者が集まり、選挙母体「経済・危機突破!県民の会」の会長である松本哲治浦添市長など、各種団体や保守系国会議員・県議らが同席。7月の参院選沖縄選挙区に出馬した古謝玄太氏も同会の青年部長としてスピーチした。

 知事選には現職の玉城デニー氏(62)、前衆議院議員の下地幹郎氏(60)が先月までに出馬を表明している。その他にも複数の政治団体などに候補者を擁立する動きが伝えられている。

出馬理由「現県政を変えて県民のために全力尽くす」

 佐喜眞氏は、自民党沖縄県連と経済団体が5月に開催した公開演説会で5氏の中から選考された経緯がある。4年前の県知事選に出馬したものの、現職の玉城氏と事実上の一騎打ちの末に約8万票差で落選しており、雪辱を果たす意味でも再挑戦となる。

 落選後の4年間で県内各地を回る中で、一括交付金の減少に伴う道路や橋などインフラ整備の停滞や、コロナ社会での経済政策に対する不満などを「全県各地で切実な声を受け止めてきました」と述べ、今回の出馬理由について「状況を放置してはならない、何とかしなくてはならないと強く考えるようになりました。今の県政を変えて、県民のために全力を尽くしてこの危機を突破しようという思いから決意しました」と説明した。

「まず経済が一番重要」

 佐喜眞陣営は「経済危機突破」というスローガンを掲げており、佐喜眞氏自身も会見で「まず経済が一番重要であると思います」と明言するなど、今回の選挙戦では経済再生・振興を軸に支持を集めていく考えだ。

 新型コロナの影響で医療現場が切迫している状況のみならず、昨年、一昨年の2年間で県内観光業の経済損失が計約1兆円に上るなど、多くの業種がダメージを受け続けていることや、ガソリンや日用品などの物価高が家計を直撃していることなどに触れながら、経済対策の重要性を強調。「沖縄県民に喜んでもらえるような経済政策をすることが必要ですが、残念なことに今の県政には政府との信頼関係というのがほぼないと思っています。私はしっかりと政府に対して沖縄側の思いを伝え、結果を残していきたい」と、政府との連携姿勢をアピールした。

基地問題の“終焉”に強い意欲

 工事が進む米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設については「早期の返還を実現するためには、現在の移設計画が現実的」だとして容認を明言すると共に「私の力で何としても終止符を打つ」と基地問題の“終焉”に強い意欲を見せた。「宜野湾に生まれ、宜野湾市長を務めた私にとって、普天間飛行場の返還は、特別な思い入れがある課題です」と述べ「私だけではなくて、多くの県民がこの問題をもう終わりにさせたいと思っているのではないでしょうか」と問いかけた。

 と同時に、玉城県政に対しては「国と裁判を繰り返して対立に明け暮れるだけで、この問題の解決が近づいているでしょうか」と疑問視し「裁判で勝訴がこれまで一つもなく、結果として返還時期が遅れていると思います」と、国と対立していることこそが普天間返還の阻害となっていることを指摘した。

 関連して、ロシアのウクライナ侵攻や台湾有事の緊張といった情勢を踏まえて「安全保障を取り巻く環境はかつてないほど大きく変化をしております。県政のトップたるもの、現実を直視、しっかりとこの変化に対応していかなければなりません」とも言及した。

佐喜眞淳(さきま・あつし)
1964年8月9日、宜野湾市出身。千葉商科大学卒。宜野湾市議会議員、沖縄県議会議員をそれぞれ2期務めた後、2012年の宜野湾市長選に初当選。2期目途中の2018年に沖縄県知事選に出馬したものの落選した。

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長濱 良起

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フリーランス記者。
元琉球新報記者。教育行政、市町村行政、基地問題の現場などを取材する。
琉球大学マスコミ学コース卒業後、県内各企業のスポンサードで世界30カ国を約2年かけて巡る。
2018年、北京・中央民族大学に語学留学。
1986年、沖縄県浦添市出身。著書に「沖縄人世界一周!絆をつなぐ旅!」(編集工房東洋企画)

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