【参院選】有権者が求めることは? 選挙戦折り返し、街頭で聞いてみた

 
候補者5氏の選挙ポスター

 7月10日投開票の第26回参議院議員通常選挙は、18日間の長い選挙戦を折り返した。改選1議席を争う沖縄選挙区に立候補した5人の訴えも日に日に熱を帯び、足を止める有権者も増えてきている。コロナ禍で疲弊した観光業の復活や物価高に伴う生活支援、基地負担の軽減。課題が山積する中、有権者は何に関心を持ち、各候補者に何を求めるのか。街頭で聞いた。

 沖縄選挙区には、事実上の一騎打ちを展開する無所属現職の伊波洋一氏(70)と自民新人で公明推薦の古謝玄太氏(38)に加え、NHK党新人の山本圭氏(42)、参政党新人の河野禎史氏(48)、幸福実現党新人の金城竜郎氏(58)が立候補している。

基地問題の姿勢に共感 伊波氏

 「国に対しても、米軍に対しても県民の立場でものを言ってくれる」。6月26日に本島南部であった市町村別の決起大会で伊波氏の訴えに耳を傾けていた会社員の男性(68)は、支持する理由をそう語った。「戦後77年が経っても未だに米軍基地による環境汚染や騒音がなくならない」と憤り、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設反対という伊波氏の姿勢に共感する。「暮らしの問題は誰になっても取り組むのが当たり前。でも基地問題にしっかり取り組めるのは伊波さんしかいない」と強調した。

埋め立て工事が進む名護市辺野古沿岸

 街頭には、宮古島市出身の男性(77)の姿も。自衛隊の部隊を南西諸島に重点的に配備する”南西シフト”について「絶対反対」と語気を強める。昨年11月には、宮古島駐屯地の保良訓練場(弾薬庫)に地対空·地対艦誘導弾と見られる弾薬が搬入された。高校を卒業するまでは地元にいたとして「あの頃は基地もなかったけど、今はどんどん強化されてる。これでは有事になった時に攻撃されてしまう。伊佐さんがミサイル配備に反対してると聞いて、今日は来ました」とのぼり旗を持つ手に力を込めた。

 時限的に消費税を5%に減税する政策や、航空機で来沖する外国人観光客の復活に向けて外交防衛委員会で2国間協議を推進していくことなども頻繁に訴えている伊波氏。現職で知名度はあるが、古謝氏陣営の精力的な運動を横目に陣営は「大激戦だ」と危機感は強い。県議や宜野湾市長も歴任し、基地問題に対する姿勢は浸透しているだけに、経済振興に向けた政策でどこまで集票を図れるかも当落の鍵を握りそうだ。

豊富な現場経験に期待 古謝氏

 沖縄本島南部で6月26日に行われていた古謝氏の地区別総決起大会で支持者として駆け付けた八重瀬町の女性(60)は「古謝さんは4人の子どもを育てているので、子育て世代に向けて良い政策を実現させてほしい」と次世代を支える政策に期待を寄せる。古謝氏は観光、健康、環境、海洋、起業の各分野を促進する「新5K経済」を政策の一つに掲げており、中でも基幹産業である観光の振興を重要視して「将来の沖縄には観光がなければいけない」と訴えた。

那覇市の国際通り。コロナ禍では人通りが極端に減った

 38歳という若さや、中央省庁や民間での豊富な現場経験から、国政での活躍を後押ししたいという声もある。自身も元公務員だという本島中部の男性(35)は「経済、福祉、教育、どれにしても『地方にとって意義ある政策なのかどうか』という視点が政策には大切だと思います。そういったことを実務レベルでも判断できる能力を持ち合わせている点に特に期待したいです」と1票を投じるつもりだ。

 古謝氏の陣営が課題の一つに挙げるのが、新人候補であり、政治経験がないことによる知名度不足だ。直近の情勢報道では「伊波氏がやや先行」との見方がある一方、「激しく競り合う」との分析もあり、応援弁士らは「相手候補の肩に手が届くところまで来ている」と支援者を鼓舞する言葉を度々発している。7月1日には岸田文雄首相も応援演説に駆け付けるなど、激戦区での票の掘り起こしに注力する。

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