6月短観「業況は改善」 日銀那覇支店
- 2022/7/2
- 経済
日本銀行那覇支店(飯島浩太支店長)は1日、2022年6月の県内企業短期経済観測調査(短観)を発表した。県内企業の景気判断を示す業況判断指数(DI)は、「全産業」で前回調査から15ポイント改善のマイナス4となった。飯島支店長は、「感染症の影響が徐々に和らぐ中で、当地企業の業況ははっきりと改善している」との認識を示した。
日銀那覇支店の短観は、県内企業143社(製造業24社、非製造業119社)を対象に、3カ月ごとに景況を聞く調査で、景気が「良い」と答えた企業の割合から、「悪い」と答えた企業の割合を引いた指数のこと。回答期間は5月30日~6月30日で、回答率は99.3%。
飯島支店長は6月短観について、「まん延防止等重点措置が解除された春以降、観光客や県民の外出頻度が増加傾向にある中、業況ははっきりと改善しており、先行きもこの動きが続くことが見込まれている」と説明した。
また、資源価格上昇が企業収益を下押しする懸念が強まっているとしつつも、「全体としては需要回復によるプラスの効果が、資源価格上昇のマイナスの効果を上回ると企業はみている」と指摘した。
一方で、飯島支店長は幅広い業種で業況に改善が見られるものの、「コロナ前の水準に回復するには、もう少し時間がかかる」との認識を示した。
業種別では、製造業は観光関連の需要や県民の外食需要の回復などが改善したことなど、前回調査から21ポイント改善しマイナス17、非製造業は同13ポイント改善しマイナス2となっている。
非製造業の内訳では、建設が資源価格高騰による影響で横ばいのプラス32、物品賃貸(主にレンタカー)は同24ポイント改善してプラス12。また、宿泊・飲食サービスは同14ポイント改善しマイナス36、小売りが同22ポイント改善しマイナス8、卸売りが同29ポイント改善し、プラス5などとなった。
先行きは、「全産業」で6月調査比9ポイント改善のプラス5、製造業は同17ポイント改善の0、非製造業では同8ポイント改善のプラス6を見通す。
一方で、資源価格上昇による収益の下押し圧力が強まるとの予想から、建設が5ポイント低下のプラス27、卸売りが同5ポイント低下の0、物品賃貸ではレンタカーや人出不足などの供給制約の懸念から同12ポイント低下の0と、それぞれ悪化を予想している。
(記事・写真・図 宮古毎日新聞)