沖縄の最高路線価、下落幅が縮小

 

 沖縄国税事務所は1日、相続税や贈与税の算定基準となる2022年1月1日現在の路線価(1平方㍍当たり)を発表した。沖縄県内での最高路線価は21年連続の「那覇市久茂地3丁目 国際通り」で、価格は前年比0.7%下落の142万円となった。同地点は2年連続して路線価が下落したものの、前年の1.4%下落から下げ幅を縮小した。

 沖縄の最高路線価は、バブル期の1992年に付けた1平方メートル当たり308万円をピークに14年連続の下落となった。その後は、好調な観光を背景に2013年から8年続けての上昇となり、20年には上げ幅が前年比40.8%に達した。

 新型コロナウイルスの感染拡大による影響で21年から下落に転じている一方、下げ幅の小ささからは沖縄のポテンシャルに対する一定の期待もうかがえる。都道府県庁所在地別の最高路線価では、那覇市は昨年と同じく全国14位だった。

 また、県内の標準宅地約3200カ所のうち新設地点の100カ所程度を除いた約3100カ所の評価基準額は、平均で前年比1.6%の上昇で8年連続のプラスとなった。上昇率は、都道府県別で全国4位。

 路線価の評価に参加した不動産鑑定士の濱元毅氏は、「1月1日時点では、新型コロナウイルスの感染状況もやわらいで展望も明るくなっていた。国際通りは、観光客向けの土産品店や飲食店が集積している場所なので、マイナスの影響は受けつつも割と明るい展望が出てきたことで、下落幅が縮小した」と語った。政府などによる支援策が価額を下支えしていることも指摘した。

 標準宅地の上昇については、「沖縄は人口増が続いているが、持ち家率が全国でも低いため、持ち家を取得したいという層が一定程度いる。離島県で住宅として利用できる土地が限られるため、需要が強まると価格が上がりやすい傾向にある」との認識を示した。

 また、濱元氏は先行きについて「全般的な基調では、ある程度、明るい兆しが見えてきていることは間違いない。ただ、原油や建築資材の価格高騰が建築プロジェクトにどう影響するかや、仮に金利が上昇した場合の不透明感も否定できない」と述べた。

 沖縄国税事務所管内の6税務署の最高路線価は、那覇署で下落したものの、宮古島署と沖縄署では上昇し、石垣署と北那覇署、名護署の3地点では前年から横ばいとなった。宮古島所では、前年比9.5%上昇の高い伸びを示した。

 宮古島署管内の伸びが高い理由として、濱元氏は「宮古地区は、ホテルや広域公園など開発計画が多い。そういう中で、商業用途(の物件)が密集しているエリアが限られており、需要が集中しやすい」と述べた。

 沖縄署管内の北谷地区については、「観光客だけでなく、地元の若者層、家族層、米軍人など多くの人が訪れる。海がありマリンレジャーが一定程度できて、夜もエンターテインメントの施設もあることが強み」と指摘した。

 沖縄都市モノレール全19駅のうち、土地区画整理事業施行地区内に所在するため個別評価となる「経塚駅」「てだこ浦西駅」を除く17駅付近の路線価では、上昇は「浦添前田駅」の1カ所。横ばいは11駅、下落が5駅(那覇空港駅、旭橋駅、県庁前駅、牧志駅、首里駅)だった。このうちで最も路線価が高かったのは「県庁前駅」の108万円(前年比0.9%下落)だった。

 路線価は、1月1日を評価時点として、1年間の地価変動などを考慮し、地価公示価格などを基にした価格(時価)の80%程度をめどに評価している。

(記事・写真・図 宮古毎日新聞)

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