海邦銀行 2期連続減収減益
- 2021/5/14
- 経済
沖縄海邦銀行(上地英由頭取)は12日、2021年3月期の連結決算を発表した。売上高を示す経常収益は、前期比0.6%減の129億5900万円。経常利益は、同16.0%減の11億100万円で、2期連続の減収減益となった。当期純利益は、同37.4%減の5億400万円だった。
経常収益の減少は、貸出金利息が増加した一方で、有価証券利息配当金や国債などの売却益が減ったことが影響した。経常費用は、新型コロナウイルスの感染拡大による与信費用の増加などで前期比1億2100万円増の118億5700万円となり、経常利益を押し下げた。
同行では、与信費用の増加について「担保を取得しているので最終的な担保リスクは小さいと思っているが、保守的に引き当てを増やした」としている。
上地頭取は、減収減益となったことについて「コロナ禍でこの数字というのは、納得のできる数字。引き当ても、先送りは経営主体としてはやってはいけないこと。ベターな決断だったのではないか」との認識を示した。
貸出金は、新型コロナ感染症関連融資制度への対応により事業性貸出が増加したことなどから、期末残高で前期比6.39%増の5655億6800万円。貸出金利回りは、同0.13ポイント下落の1.81%。
預金残高は、個人、法人、地方公共団体その他がそれぞれ増加し、同11%増の7685億4000万円。平均残高は、同8.56%増の7425億4200円となった。
上地頭取は、預金残高が増加したことについて「10万円給付を含めた個人預金の歩留まり、あとは、緊急対応の政策金融機関からの借り入れ、保証協会を通したセーフティーネット、もろもろのお金が、事業先の残高として積み上ってきている状態ではないか」と語った。
22年3月期の連結業績予想は、経常利益は前期比55.5%減の4億9000万円。当期純利益は同3.0%増の5億2000万円を見込んだ。
今後について、上地頭取は「ワクチン接種の状況によっては、一気に沖縄観光が盛り返して元気になっていく。そういう意味で、しばらは待ちの状態かなと思っている。全てコロナワクチンの進捗状況が采配するのかなと思っている」と述べた。
(記事・写真・図 宮古毎日新聞)