遠山光一郎の「沖縄VSアジア国際都市」 2:=民族構成、国際化=

 

マレーシア旅行博、マレー系、インド系、中華系

 シンガポールは多民族国際都市として有名である。人口約564万人のうち大体中華系74%、マレー系14%、インド系9%の割合で構成されている。国際都市を構成する場合の多民族構成は重要な点であると思う。対応言語、生活習慣、宗教、文化理解など、多民族な優秀な方々を招致する時や、観光客として滞在してもらう時の受け入れ人材や生活環境作りのための重要な要素となる。人種のるつぼとされている世界的国際都市ニューヨーク、シドニーなども街に出身地別のタウンがあったりと、移民政策などを含め人種構成が多様な多民族国際都市なのだと思う。

世界のウチナーンチュが国際都市形成への財産に

 日本はその点、江戸時代の鎖国の影響もあり、東京に実際に多くの外国人が住んでいたとしてもその文化や言語などの社会浸透などは程遠いものがあるのではないであろうか。沖縄は軍関係でアメリカ人、フィリピン人、観光関連で中国、台湾、韓国から移住して暮らして働いている人も多く、また私の生まれ育ったコザではインド人の小売業者を身近に感じて暮らしていた思い出がある。また南米やハワイなどを中心に約42万人と言われる多様なウチナーンチュネットワークを持つ世界のウチナーンチュの存在は、国際都市形成に向けて大きな財産になるのではないであろうか。

 国際都市とはなんだろう。いろいろな人種がいる、世界とつながっている航空路線が多くあり大型空港がある、英語などが通じる、国際的大企業が多く進出している世界中から多くの観光客が訪れるなど、いろいろな定義があるかと思う。しかし、一番大事なのは多くの外国人がストレスを感じないで生活でき、そこでの生活にそれぞれ独自の夢を描く環境があることでないかと思う。

人種のるつぼ、ニューヨークタイムズスクエア

特徴を生かし沖縄型国際都市形成を

 沖縄は摩天楼と呼ばれる高層ビルは少なくても、幸福度は高いのではないであろうか。英語や中国語は日本の他府県と比べると人材は多いと思う一方、国際的に見ればまだまだなレベルだが、イチャレベキョーデーのように国際コミュニケーションを生み出す環境はあり、有利な点であると思う。

 那覇国際空港はシンガポールのチャンギ国際空港などと比較するとかなり小規模であるが、コロナ前までの航空路線拡大は日本の地方都市としてとても好調であったと思う。また沖縄県や観光関係者の努力による数々のプロモーションなどアジア地域でのマーケティング活動により、東京、京都、北海道には及ばないものの、日本の地方都市の中でのアジアにおける「沖縄」という知名度は非常に高いのも利点である。

シンガポールでの忘年会インド人、フィリピン人、香港人、マレーシア人、シンガポール人

 沖縄でも外国人の受け入れ態勢を強化しうまく共存共栄し、また大きな財産である世界のウチナーンチュとのネットワークを更に次のレベルまで高めることができれば、規模などだけを追い求めなくても他のアジアの国際都市と並ぶ沖縄型国際都市形成ができると思う。国際都市を目指す場合には空港、通信などのハードも大切だが、独自性を出すなら学生だけでなく老若男女ウチナーンチュ一人一人が語学をある程度できるために努力し、また国際コミュニケーション力を高めるために国際情勢、世界史などの一般知識を高める必要がある。是非、沖縄の特徴を生かした沖縄型国際都市形成を世界のウチナーンチュとともに作り上げ、国際化で遅れをとる日本全体の国際化を沖縄から引っ張って欲しい。

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遠山光一郎

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コンサルタント、OTS Global取締役。シンガポール在住。コザ出身。
高校までは赤点を量産していたが、なんとか沖縄国際大学に入学し、卒業。シンガポール国立大学院修士課程卒業。その後は、ベトナム駐在事務所設立業務、大手総合商社とメガバンクシンガポール支店勤務、チャンギ空港及び主要モールへ小売出店業、東証一部上場企業のシンガポール取締役として文化遺産会場管理運営等を経験。沖縄県ベトナム、シンガポール委託駐在員も歴任し、沖縄とアジアの直行便就航業務に関わる。

インスタグラム(@koichirotoyama_okinawan)

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