日銀那覇支店12月短観、2四半期ぶり改善
- 2021/12/15
- 経済
日銀那覇支店(飯島浩太支店長)は13日、2021年12月の県内企業短期経済観測調査(短観)を発表した。企業の景況感を示す業況判断指数(DI)は、全産業で前回調査に比べて7ポイント改善のマイナス19となり、6月調査以来、2四半期ぶりの改善となった。飯島支店長は「観光や外食需要の持ち直しが起点に、県内経済全体にプラスの影響が及んだ」と分析した。
DIは、業況が「良い」と答えた企業の割合から、「悪い」と答えた企業の割合を引いたもの。調査は11月10日~12月10日までの間、141社(製造業25社、非製造業116社)を対象に実施した。回答率は100%。
飯島支店長は、12月の調査結果について、10月から緊急事態宣言が解除され、経済活動が再開している中、感染が落ち着いた状況が続いていることから「10月、11月と着実にサービス消費、観光や外食需要が持ち直してきたことが起点となり、県内経済全体にプラスの影響が及んできた」と分析した。
先行きについては、県内の感染状況を予測することは困難としながらも、「期待を込めて言うと、できるだけ感染が抑制されることで、観光需要、あるいはサービス消費がさらに改善して、持ち直しの動きが明確になるというのがメインシナリオではないか」との見解を示した。
業種別では、観光客向けの食料品などの製造業は、前回調査比8ポイント改善のマイナス20、非製造業も同6ポイント改善し、マイナス19となった。
非製造業の内訳では、宿泊・飲食サービスが同10改善のマイナス60、対個人サービスは前回調査から変わらずマイナス67と最も低くなった。最もDIが高かったのは建設業で同14改善のプラス33だった。
同支店が6月調査で、新規受注が減少しつつあり中断している事案などがあると指摘した建設業が好調を維持したことについて、飯島支店長は、「観光や外食需要が持ち直してきていて、民間工事も再開している」と述べた。
また、原材料価格の上昇を背景に、全産業の仕入価格判断DIは前回調査比7ポイント上昇のプラス30。一方で販売価格判断DIも同9ポイント上昇のプラス10となり、飯島支店長は「多くの企業が、仕入れ価格の上昇を販売価格に転嫁するスタンスだということが示されている」と説明した。
先行きは、全産業では12月調査比19改善のプラスマイナス0、製造業は同16改善のマイナス4、非製造業では同20改善のプラス1と見通している。
(記事・写真・図 宮古毎日新聞)