「2月がハイシーズン」阪神キャンプの宜野座村 無観客への秘策とは

 

 沖縄県内でどこよりも2月を楽しみにしている市町村があるとすれば、宜野座村と言っても過言ではないだろう。毎年2月は、プロ野球阪神タイガースの一軍が2003年から春季キャンプを実施しており、人口約6000人の村に全国から約10万人の阪神ファンや観光客、報道陣が訪れるといわれる。しかし今年は新型コロナの影響で無観客でのキャンプイン。村内の関係者は団結して阪神キャンプの雰囲気や宜野座の魅力を全国に届けようと、初めて「キャンプ地限定商品」のネット販売を始めるなど、取り組みを進めている。

野球の村・宜野座

 そもそも、宜野座村は野球熱が高い。まさしく野球の村だ。

 2001年の選抜高等学校野球大会(春の甲子園)に、地元の宜野座高校が21世紀枠で出場しベスト4まで駒を進め「宜野座旋風」とも呼ばれた。この年は春夏連続で甲子園に出場するなど、宜野座村から沖縄全域に希望を与えた。さらに特筆すべきは部員全員が地元の宜野座中学校出身だという点だった。ましてや同校で編み出されたカーブの一種「宜野座カーブ」は、その特殊な握りや軌道から当時一躍有名になった新手の変化球だ。

 人口規模からは考えられないほど、野球関係の施設も充実している。
 野球場「かりゆしホテルズボールパーク宜野座」に隣接する形で、公営の「ぎのざバッティングセンター」まである。草野球チームの数も非常に多く、村内在住の男性は「若い人だけではなく、70代の人のチームもある。宜野座村だけでリーグが作れます」と話す。

Print Friendly, PDF & Email
次ページ:

1

2 3

関連記事

おすすめ記事

  1. 前半38分、左サイドからのクロスに反応する沖縄SVの髙原直泰(奥中央)=3日、三重県のAGF鈴鹿陸…
  2. 鋭いドライブでディフェンスを抜きに行く宜保隼弥(右)=6月15日、沖縄アリーナサブアリーナ(長嶺真…
  3. FC琉球の監督に再就任し、意気込みを語る喜名哲裕監督=15日、那覇市の沖縄県体協スポーツ会館 …
  4. 前半35分、白井陽斗(中央)のスーパーゴールを祝福する野田隆之介主将(右)らFC琉球のメンバー=3…
  5. 初優勝を決め、喜びを爆発させる琉球ゴールデンキングスのメンバー=28日、神奈川県の横浜アリーナ©&…

特集記事

  1. 沖縄県庁  沖縄県は、地域の緊張を和らげようと、4月から「地域外交室」を設置し、照屋義実副知…
  2. 試合終了後、サポーター席に駆け寄って引き続きの応援を求める喜名哲裕監督(右)=24日、沖縄市のタピ…
  3. インタビューで昨シーズンを振り返る安間志織=5月18日、那覇市内  欧州を舞台に活躍していた…
ページ上部へ戻る ページ下部へ移動 ホームへ戻る 前の記事へ 次の記事へ