「2月がハイシーズン」阪神キャンプの宜野座村 無観客への秘策とは
- 2021/2/22
- 経済
沖縄県内でどこよりも2月を楽しみにしている市町村があるとすれば、宜野座村と言っても過言ではないだろう。毎年2月は、プロ野球阪神タイガースの一軍が2003年から春季キャンプを実施しており、人口約6000人の村に全国から約10万人の阪神ファンや観光客、報道陣が訪れるといわれる。しかし今年は新型コロナの影響で無観客でのキャンプイン。村内の関係者は団結して阪神キャンプの雰囲気や宜野座の魅力を全国に届けようと、初めて「キャンプ地限定商品」のネット販売を始めるなど、取り組みを進めている。
野球の村・宜野座
そもそも、宜野座村は野球熱が高い。まさしく野球の村だ。
2001年の選抜高等学校野球大会(春の甲子園)に、地元の宜野座高校が21世紀枠で出場しベスト4まで駒を進め「宜野座旋風」とも呼ばれた。この年は春夏連続で甲子園に出場するなど、宜野座村から沖縄全域に希望を与えた。さらに特筆すべきは部員全員が地元の宜野座中学校出身だという点だった。ましてや同校で編み出されたカーブの一種「宜野座カーブ」は、その特殊な握りや軌道から当時一躍有名になった新手の変化球だ。
人口規模からは考えられないほど、野球関係の施設も充実している。
野球場「かりゆしホテルズボールパーク宜野座」に隣接する形で、公営の「ぎのざバッティングセンター」まである。草野球チームの数も非常に多く、村内在住の男性は「若い人だけではなく、70代の人のチームもある。宜野座村だけでリーグが作れます」と話す。