宿泊・観光業が「取り残されている」 コロナ禍で続く沖縄経済の正念場

 
人通りが減った国際通り

「県の対応が短いスパンに基づいた判断での医療施策に偏りすぎており、宿泊業や観光関連業が取り残されている」。新型コロナウイルス感染拡大の影響で危機的状況が続く中、県ホテル旅館生活衛生同業組合(以下、ホテル組合)で専務理事を務める中村聡さんはこう語る。
 県独自の3度目となる緊急事態宣言が出て2月19日で1ヶ月。県内感染者数増減の波が繰り返され、先の見通しはまだまだ見えない。飲食店への支援はある程度行われているものの、そのほかの観光に関連する業者への目配せはまだまだ十分とは言えない状態だ。

大きすぎる医療の“車輪”

 中村さんが社長を務める那覇セントラルホテルも2020年は「過去に類を見ない赤字」になる予定という。現状、補助金や融資などで「とりあえず回せてはいる」が、これからは「返せるかどうか」という負担感がじりじりと重みを増してくる。「昨年ごろからM&Aを勧めるようなDMの届く数が増えた」。

 ホテル組合が今年1月に実施した新型コロナによる影響調査では、1月19日の県独自の緊急宣言前から県内ホテルでは予約のキャンセルが相次ぎ、今後の国の施策についても不透明な部分が大きいため新規予約も伸びない“様子見”の状態が3月以降も続く見通しだ。

 感染状況を踏まえつつ、県も国もさまざまな対応をしてきているが未だ「正解」はない。そうした中で、県が感染対策として医療的側面を重視して観光や仕事での人の移動なども含めた経済面での動きを「全て止めようとする傾向にある」現状を中村さんは危惧する。

「人命を守るための感染対策、医療政策に注力するのは当然のことだし続けていかなければならないが、一方で“生き続けるための経済”もまわしていかないといけない。本来ならばこの両輪で前に進めなければいけないが、現状は医療の車輪の方が大きすぎて同じ場所でぐるぐる回ってしまっている」

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