県内最高路線価、9年ぶりに下落

 
20年連続で県内最高路線価となった「那覇市久茂地3丁目 国際通り」=6月30日、那覇市

 沖縄国税事務所は1日、相続税や贈与税の算定基準となる2021年1月1日現在の路線価(1平方㍍当たり)を発表した。県内の最高路線価は20年連続して「那覇市久茂地3丁目 国際通り」で、前年比1.4%下落の143万円となった。

 同地点は、これまで8年連続で上昇していたが今回は下落に転じた。前年の40.8%上昇から変動率はマイナス42.2ポイントで、全国で2番目に悪い値となった。県内最高路線価としても、1992年に次ぐ水準という。

 観光客数の増加などによる堅調な県経済を背景に、県内では地価上昇が続いていた。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大で観光客数の落ちこんだことなどが要因で、最高路線価が下落に転じた。

 一方で、県内の標準宅地3200カ所のうち新設100カ所を除いた3100カ所の評価基準額は、平均で前年比1.6%の上昇で7年連続のプラスとなった。ただ、前年の10.5%プラスからは上昇率を大幅に縮小させた。

 県不動産鑑定士協会の髙平光一会長は、新型コロナの感染拡大の影響で観光客が大幅に減少したことで、土地取り引きが低調になったとした上で、「金融機関の融資や持続化給付金などの公的資金投入により、大きなマイナスにはならなかった」との見解を示した。

 先行きについては、「観光客が戻ってくることが前提となるが、沖縄のポテンシャルは高く、将来的に有望株であることは間違いない」とした。一方で、新型コロナの収束が見通せない場合の最も悪いシナリオとして「不動産価値が下落し、経済的に大きなダメージを受けることは容易に想像できる」と危機感を示した。

 沖縄国税事務所管内の6税務署の最高路線価は、沖縄署で唯一上昇した以外は、宮古署と名護署が横ばいで、那覇、北那覇、石垣の3署で下落した。唯一上昇したのは「北谷町字美浜 町道美浜1号線」で前年比2.3%上昇の22万円。前年からの落ちこみが最も大きかったのは石垣の同マイナス3.3%で14万5000円だった。

 髙平会長は、上昇した北谷町について、「観光客だけではなく県内客も一定程度いるので、お店を維持できる程度の売り上げは確保できている」と説明した。石垣については「地価が高くなり過ぎていたことと、店舗に空きが出たことなどが影響した」との認識を示した。

 空店舗が目立つ国際通りについては、一部で店舗を確保するような動きがあるとの報道があることについて触れた上で「現状では、坪3~4万の家賃で入ったとしてもペイできない。現実として二の足を踏む事業者の方が多い」と述べた。

 沖縄都市モノレール全19駅のうち、路線価を評定するための標準地が変更になった「壷川駅」と、土地区画整理事業施行地区内に所在するため個別評価となる「経塚駅」「てだこ浦西駅」を除く16駅付近の路線価では、上昇はなく、横ばいが10駅、下落が6駅だった。このうちで最も路線価が高かったのは「県庁前駅」の109万円(前年比1.8%下落)だった。

 路線価は、1月1日を評価時点として、1年間の地価変動などを考慮し、地価公示価格などを基にした価格(時価)の80%程度をめどに評価している。同事務所では、年の途中で大幅に地価が下落した地域が確認された場合には、路線価などの補正を検討するとしている。

(記事・写真・図 宮古毎日新聞)

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