養液栽培の技術沖縄へ!県産野菜の通年供給に挑戦 新里さん
- 2021/3/11
- 経済
夏場に県産野菜が少なくなる沖縄で「年中県産の野菜を食べてもらいたい」という想いを胸に沖縄県うるま市勝連南風原で農業を始めるのは、新里龍武(しんざとたつむ)さん。兵庫県の東馬場農園で学んだIT技術の活用や土を使わない養液栽培の技術を生かして、今年4月から沖縄に戻ってトマト栽培に取り組む予定だ。「沖縄の未来をもっとよくしたい」と沖縄での周年栽培を決意し、安定供給の実現による価格の安定化、雇用創出を目指す。
スポーツから農業の道へ
新里さんは、沖縄県石垣島の最北端にある平久保で、農業を営む両親の元に生まれ、小学校から大学卒業までバスケットボール一筋で育った。中学時代は県選抜、高校時代は県大会優勝、国体選手に選出。沖縄インターハイでは、県代表として旗手を務めた経験もある。大学時代は関西大会優勝、インカレベスト8へ導き、関西選抜に選出されるなど輝かしい功績を持っている。 幼いころは両親の苦労や大変さを見て、農業が嫌いだったが、社会人となり、気持ちに変化が現れた。スポーツの世界から一転し、農業への道へ進んだ。農業の知識を学ぼうと「働かせてください」と飛び込んだのが東馬場農園だった。研修生として所属し、東馬場怜司社長から栽培面だけでなく技術や販売方法、会社の経営を学んでいる。
外部の環境に左右されない野菜栽培の実現
東馬場農園は、IT技術を活用し、ハウス内の温度や湿度などの環境をコントロールする環境制御装置を高軒型ハウスに取り入れ、外部の影響に左右されない周年栽培を実現している。
また、ハウス内の気温や湿度などの様々なデータを管理することで、そのデータをもとに設定に合わせて自動で水を与えたり、ハウス内を換気することも可能となる。自動で行うことで作業を省力化することができ、効率よく作業をすることができることがメリットとして挙げられる。
「農業は休みがなく、労働時間も長いとイメージする方が多いと思いますが、安定した休みも取得可能にすることができます。農業のイメージも変え、魅力のある農業にしていく」と新里さんは言う。