國場組が35年連続1位 19年度建設業完工高ランキング
- 2020/11/3
- 経済
東京商工リサーチ沖縄支店は2日、県建設業許可業者4942社(大臣許可11社含む、20年3月末現在)で年間10億円以上の完成工事高を計上した企業が対象となる、2019年度県建設業完成工事高ランキング(19年4月期~20年3月期)を発表した。トップは、集計開始から35年連続で國場組となった。2位は13年連続で沖電工、3位は3年連続での屋部土建となった。
ランキング入りした企業数は前年度から2.2%減の218社、完工高総額は同5.4%増の5744億4400万円となった。対象企業数が6年ぶりに減少した一方、公共工事の堅調な動きとホテルなど民間の大型工事などから、完工総額は8年連続の増加で過去最高を更新した。
増収企業は148社で、ランキング入りした企業数(新設の1社を除く)の68.2%。18年連続で半数を超え、前年度を0.5ポイント上回った。また、新・再ランキング入りは34社で、過去最多を更新した前年度を下回ったものの、過去4番目の多さになった。
ランキング1位の國場組は、伊武部リゾートホテルや下地島空港ターミナルビル建築のほか、那覇空港滑走路増設、シュワブ埋め立てなどで前期比6.6%の増収となった。
2位の沖電工は、沖縄電力からの病院、総合スーパーなどの配電工事を中心に、新名護幹線一部地中化の大型土木に加え、沖縄防衛局からシュワブ隊舎の電気工事などを請け負って前期比2.2%の増収となった。
3位の屋部土建は、公共工事で名護市営球場、沖縄科学技術大学院大学などの建築工事のほか、シュワブ埋め立て、那覇空港滑走路増設などの土木工事もあり、民間でも関連会社のホテル建築があって前期比9.5%の増収。13年連続で完工高を伸ばした。
同支店では、「まだ建築単価も高い時期で、受注した工事が高水準にあり、それが完工高に反映されている。規模の大きな工事が入っており、公共工事もまだ高い水準で維持されていることが反映された」と説明した。
今後については、「公共工事は道路や港湾などに予算が取られており受注が継続すると予想されるが、大型商業施設など大型工事が落ち着いており、住宅着工戸数も少し落ちてきているので、(来年度の)完工高の過去最高の更新は難しいと思われる」と述べた。