衆院沖縄1区 下地幹郎氏復党の行方は

 
復党届を提出後、取材に応じる下地幹郎氏=10月30日 (写真・宮古毎日新聞提供)


 次期衆院解散総選挙を見据え、沖縄1区が政局に揺れている。沖縄県内の経済界の一部に後押しされた無所属の下地幹郎衆院議員(59)=九州比例=が10月30日、自民党に復党届を提出。この動きに沖縄1区の自民現職、國場幸之助衆院議員(47)=同=が反発し、さながら1区の公認争奪戦の様相を呈しているためだ。調整難航は避けられない情勢で、自民県連や党本部の判断に関心が集まっている。下地氏の復党は実現するのだろうか。

保守分裂で共倒れ


 下地氏は1996年の衆院選で自民の公認を受け初当選し、現在6期目。菅義偉首相や自民党の山口泰明選対委員長が初当選同期の近しい間柄にある。

 落選中だった2005年、下地氏は前年の参院選で自民の公認候補を支援しなかったことなどから離党勧告を下された。自民を離党後は地域政党「そうぞう」を設立し、国政では国民新党や日本維新の会などを渡り歩いてきた。今年に入り、カジノを含む統合型リゾート(IR)をめぐる汚職事件で中国企業側から現金100万円を受け取っていたことが発覚し、維新を除名処分に。現在は無所属で活動する。

 衆院沖縄1区は下地、國場の保守系2氏と、共産党の赤嶺政賢衆院議員(73)が激しい選挙戦を繰り広げてきた。最近は14年、17年の選挙で赤嶺氏が1区を制し、2氏は比例復活だった。2氏の得票を足し合わせると優に赤嶺氏を上回るものの、保守系候補が一本化されることはなく、共産や社民党などで構成する「オール沖縄」勢力を利する構図が続いている。

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