駐日ウクライナ大使に「ゼレンスキーです」発言謝罪 沖縄県の玉城知事
- 2022/5/31
- 政治
沖縄県の玉城デニー知事は30日、米軍基地問題に関する有識者会議の冒頭で自身のことを「ゼレンスキーです」と発言した問題について、コルスンスキー駐日ウクライナ大使に謝罪したことを明らかにした。コルスンスキー大使は、「今回のことが、日本とウクライナ、沖縄とウクライナの関係に影響を及ぼすことは全くないと思う。知事からの謝罪を受け入れたと理解してよろしいです」と応じたという。
玉城知事は、25日に沖縄県庁と有識者をオンラインで結び開催した「米軍基地問題に関するアドバイザリーボード会議」の冒頭、着席した際に自身のことを「ゼレンスキーです」と述べ、直後に「冗談です」と釈明。その後、報道により批判が高まると不用意な発言だったと謝罪していた。
30日の会見で、玉城知事は「午前中、大使に電話をして、私の発言内容と経緯について説明した。その上で、今回の発言は軽率との誹りを免れず、多くの皆さまを不快な気持ちにさせたこと、(ウクライナの)ゼレンスキー大統領やコルスンスキー大使にも大変ご迷惑をお掛けしたということで、心からのお詫びを申し上げた」と述べた。
また、「沖縄県では、ウクライナから日本に避難されてきた方の受け入れも積極的に進めていることもお話をさせていただいた。さらに、今回の不用意な発言によって、ウクライナの関係者の皆様にご迷惑をお掛けしたことについては、重ねてお詫び申し上げ、今後は誤解を招く発言がないよう、慎重に務めていきますとお話させていただいた」とも語った。
知事によると、コルスンスキー大使は「知事の説明により状況は全てよく理解できました」「我々は特に気にしていないので、ご心配には及びません。知事からの謝罪を受け入れたとご理解いただいてよろしいです。ウクライナの戦争被害に対して、日本や沖縄の皆様の支援に感謝したい」などと語ったという。
辺野古めぐり国地方係争処理委員会に審査申し出
玉城知事は同日、米軍普天間飛行場の辺野古移設をめぐり、埋め立て海域で見つかった軟弱地盤に伴う設計変更を承認するよう国土交通相が是正指示を行ったことについて「違法と言わざるを得ない」として国地方係争処理委員会に審査を申し出たことも明らかにした。
会見で玉城知事は、「不承認処分は、公有水面の埋め立てに関して権限と責任を有する知事として、法律による行政の原理の下、公有水面埋立法に基づき厳正に判断したもので、処分理由は正当だ」と強調した。
「県が承認処分を行わないことは正当であり、国土交通大臣から承認せよとの是正の指示を受けるいわれはない」とも語った。
(記事・写真 宮古毎日新聞)