【詳報】キングスに新たな壁 初ファイナルは2連敗で準優勝

 
ダンクを叩き込むキングスのジャック・クーリー=5月29日、東京体育館(©B.LEAGUE)

 プロバスケットボールBリーグ1部の2021-22シーズンファイナル第2戦が5月29日、東京体育館で行われ、琉球ゴールデンキングス(西地区1位)が宇都宮ブレックス(東地区4位)に75-82で敗れた。宇都宮は5年ぶり2度目の優勝。キングスは初のファイナルを2連敗で終え、準優勝となった。

 チャンピオンシップ(CS)MVPには宇都宮の比江島慎が輝いた。第2戦の観客数は6,874人。第1戦に続き、キングスの並里成、宇都宮の喜多川修平は「コンディション不良」のため欠場した。

スリーの確率上がらず

 キングスは試合開始からインサイドアウトでフリーのスリーポイントを多く放つが、前半は19分の4(21.1%)と確率が上がらない。ビッグマンにダブルチームを仕掛けるなど、インサイドを徹底して守る宇都宮のディフェンスを崩せずに外から打たざるを得ない場面も目立った。一方、アレン・ダーラムや岸本隆一のドライブは効果的に決まり、ジャック・クーリーがゴール下で主導権を握ってなんとか付いていく展開となった。

 守りでは高さや幅のある日本人選手が多い宇都宮に、岸本やコー・フリッピンのポジションのミスマッチを突かれ、ゴール下を中心に得点を許した。

 第2Q終了間際に今村佳太のスリーポイントでなんとか一桁得点差に縮めたが、30-38と劣勢で前半を折り返した。

第3Q終盤に初のリード エバンスがけん引

 ハーフタイム中、桶谷大HCはこう指示を出した。

 「前半の終わりに隆一がいいドライブをして、そこから流れができていたので、まわりの選手が合わせましょう。あとダーラムのポジションもイニシアチブが取れていたので、共通理解を持って攻めよう」

ゴール下でシュートを放つドウェイン・エバンス(©B.LEAGUE)

 ドライブを中心にインサイドを攻める役割を担ったのは、ドウェイン・エバンス。第3Qで流れを掴む。

 ゾーンとマンツーを組み合わせて中を固めるマッチアップゾーンや、局所的に各選手の強みをダブルチームで潰しにくる宇都宮に対し、エバンスが個で打開する。さらに岸本やコー・フリッピンのドライブに合わせるなどしてこのクオーターだけで12得点を挙げ、残り1分29秒で初のリードを奪う原動力となった。

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