【詳報】キングスに新たな壁 初ファイナルは2連敗で準優勝

 

逆境乗り越え 飛躍のシーズン

ドライブで切り込む岸本隆一(©B.LEAGUE)

 試合後の会見では、悔しい気持ちと、キングスを初のファイナルに導いたチームメートを誇るコメントが目立った。

 「まずは宇都宮の皆さんにおめでとうございますと言いたいです。悔しい結果になりましたけど、キングスをファイナルに連れて行ってくれた選手、スタッフ、ファン、関係者に感謝したい。このファイナルが、キングスにとってかけがえのないものになる。またここに戻ってきたいです」(桶谷HC)

 「本当に悔しさもあるし、素晴らしいチームメートと戦ってきた気持ちもある。ブレックスが本当に強かった印象です」(岸本)

 「ファイナルという素晴らしい舞台で宇都宮と試合をして、ブースターとこの会場で戦えたことを本当にうれしく思います。ブースターのために優勝を届けられなかったことは悔しいけど、チームが苦しい時が何回もある中、シーズンを戦い切れた。誇りに思えるチームでした」(今村)

 「キングスの仲間、スタッフと戦えたことを嬉しく思います。結果はもちろん悔しいし、直さないといけないところは修正して、前進していきたい。ただ何より、このチームで戦えたことを嬉しく思います」(クーリー)

 渡邉飛勇、田代直希、牧隼利と主力級の選手に多くの負傷者を出しながら、49勝7敗とB1の歴代最高勝率(8割7分5厘)でレギュラーシーズンを締めくくり、最多連勝記録となる20連勝も達成した今季。3シーズン連続で跳ね返され続けていたCS準決勝の壁を突破し、初のファイナルの舞台も踏んだ。

 飛躍のシーズンとはなったが、また新たな壁が立ちはだかった。気が早いかもしれないが、選手、スタッフ、ファンの「団結の力」で来季こそチャンピオンリングを掴みたい。生え抜き10年目の岸本が、頼もしい言葉でシーズンを締めくくった。

 「チームメートのケガや、コート外でもいろんなことがあった中で、逆境を乗り越えてきました。最後は乗り越えられなかったのですが、そこに立ち向かっていくのがキングスが歩んできた歴史だと思う。自分たちの可能性を示せたのかなと思っています。これからチームとしてどうしていけるかはまだ整理が付いていないですが、チームメートと同じ志を持ってプレーできたのは大きいこと。いいシーズンでした」

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長嶺 真輝

投稿者記事一覧

ながみね・まき。沖縄拠点のスポーツライター、フリーランス記者。
2022年3月まで沖縄地元紙で10年間、新聞記者を経験。
Bリーグ琉球ゴールデンキングスや東京五輪を担当。金融や農林水産、市町村の地域話題も取材。

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