衆院沖縄1区 下地幹郎氏復党の行方は
- 2020/11/3
- 政治
経済界が流れを主導
下地氏の復党や1区の候補者調整については政界関係者が好んで話題にしてきたが、実現性は乏しく、自民県連関係者も「下地氏の座る椅子がない。比例に回すといっても、ただでさえ沖縄の議員は比例復活が多く、九州の他県から厳しい目を向けられてきた。復党は簡単なことではない」と消極姿勢だった。
そうした中、復党の流れをつくったのは、國場組の國場幸一会長をはじめとする県内経済界の重鎮らだ。
國場会長は10月2日、下地氏の実兄で県内建設大手・大米建設の下地米蔵会長らと上京して自民党本部に赴き、二階俊博幹事長や山口選対委員長らと会談。沖縄1区で保守系候補を一本化する重要性を説いた。27日には、県内の保守系首長や経済関係の計14団体が連名で県連に要請文を提出。「下地幹郎衆院議員を自由民主党に復党させ、強力な保守合同の体制を整えなければならない」と求めた。
これに後押しされるように下地氏が復党願を県連に届け出たのは、その3日後のことだった。30日、下地氏は自身のFacebookで15年ぶりの県連訪問を「感無量」とした上で、「共産党が主導する政治が沖縄のど真ん中にあるということは、沖縄の発展を妨げることにもなると強く信じている」と書き込んだ。
國場氏は下地氏復党を拒絶
下地氏の復党を画策する動きに、沖縄1区から自民公認で出馬してきた國場氏やその周辺は猛反発している。
10月13日、國場氏は自民沖縄1区支部長として県連に「復党について決して認めることはなく、断固反対する」と拒絶する要請文を提出。那覇市を地元とする自民県議や市議が名を連ね、復党を認めれば「自由民主党への信頼の失墜につながり、党組織と選挙態勢の構築にも多大な悪影響を及ぼす」と対決姿勢を鮮明にした。「復党(入党)を認めてしまったら、沖縄の自民党は終わり」(奥間亮那覇市議のFacebook)などの根強い反対論がある。