「政府と沖縄の新たな関係の模索の始まり」仲井眞元知事 安倍政権と沖縄①

 
仲井眞弘多氏 沖縄ニュースネット

 歴代最長の7年8か月にわたって政権を運営してきた安倍晋三首相が8月28日に辞意を表明した。現在は自民党総裁選の真っ最中である。長期にわたった安倍政権は沖縄になにを残したのか。沖縄の基地問題や経済振興どう取り組んだのか。2014年12月まで沖縄県知事を務めた仲井眞弘多氏に聞いた。

***

 私は2006年12月に知事に就任しましたが、ずっと日本の首相が1年おきに変わるような状態が続いていました。そういう意味では第2次安倍政権になってようやく腰を据えて沖縄のあり方について話をできる相手が現れた思いがしました。

 沖縄の基地問題のような困難な問題は、政権が目まぐるしく変わるようでは、とても腰を据えて取り組むことはできません。

家父長的優しさから自立に向けた新たな関係に

 自民党にはこれまで旧田中派に沖縄と深い関わりを持つ政治家が多くいました。橋本龍太郎さん、小渕恵三さん、野中広務さん、梶山静六さんたちがそうです。その源流は鹿児島県出身の山中貞則さんでしょうか。かつて琉球王朝を征服した薩摩の人間として山中さんは贖罪の意識から沖縄に特別な思い入れを持ち、家父長的な優しさで沖縄にシンパシーを感じてくれました。復帰後、しばらくは本土と沖縄の格差は大きかったですから、こうした政治家たちに非常に助けられたのは事実です。

 その一方で、沖縄の自立を促すという観点では、いつまでもこうしたお父さん的な深情けを示してもらうことが良いことなのかと私は感じていました。

 すでにこうした政治家たちは亡くなり、新しい世代が国政を担う時代となっています。安倍首相や政権で沖縄の基地負担軽減を担当した菅義偉官房長官はそうした新しい時代を象徴する政治家です。政府と沖縄の新たな関係の模索が始まったと言えます。

 ただ、旧来の政治家と違うからといって、安倍さんや菅さんが沖縄のことをよく知らないかと言えば、そうではありませんでした。沖縄振興や予算確保のことも、米軍との緊張をともなう関係のこともよく事情を理解されていました。さらに国論が分かれるような問題についてもしっかり取り組んだと思います。

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