コロナ「緩やかに増加」 沖縄県、基本的対策の徹底訴え
- 2022/11/11
- 政治
沖縄県の玉城デニー知事は10日、県庁で会見し、県内での新型コロナウイルスの感染状況について「緩やかだが、新規陽性者数の増加傾向が明らかになっている。このまま新規陽性者数が増加した場合、入院者数が増えて医療ひっ迫につながるおそれもある」として、基本的な感染対策の徹底を訴えた。
県内で、直近1週間の新規陽性者数(人口10万人当たり)は、10日時点で130.21人。7月に同数値が2000人を超えていたことを考えれば、大幅に低下したと言えるが、先月末からは15~20%程度の上昇がみられる。
同数値は東京都や大阪府でも徐々に上昇しているほか、感染が拡大している北海道では800人を超えており、玉城知事は「全国知事会においても、第8波に入り始めているのではないかとの意見があったことも、承知している」とも述べた。
また、「今年の冬は、新型コロナと季節性インフルエンザの同時流行が予想され、多くの発熱患者が発生し、速やかに受診できない可能性がある」とも指摘し、前もって新型コロナの検査キットや市販の解熱鎮痛剤などの常備薬を準備しておくよう呼び掛けた。
さらに、「オミクロン株対応ワクチンの接種間隔が、これまでの5カ月から3カ月に変更されている。このワクチンは、従来型ワクチンを上回る重症化予防効果が期待されている」とも強調。年内に、オミクロン株対応ワクチンやインフルエンザワクチンの接種を済ませるよう促した。
自衛隊与那国駐屯地の米軍使用「情報提供を求める」
会見では、同日から始まった日米統合演習「キーンソード」をめぐり、与那国島の自衛隊駐屯地で米軍が一緒に訓練することが公表されていることについての質問も、記者団から出た。
これに対し、玉城知事は「今回は訓練で使用すると承知している。しかし、例えばそこに米軍が駐留するなど、これまでにない状況が惹起されることがあれば、地元の住民に非常に大きな反発を招くことが想定される。引き続き、米側、防衛局側にしっかりした情報の提供を求めるとともに、住民に不安を与えることがないよう精査していきたい」と述べた。
南西諸島に設置された自衛隊基地を米軍が共同使用することについては「さまざまな県民の意見があることを承知している。基地の過重な負担につながることは、われわれとしても到底、認めることはできない。引き続き情報収集に努めていきたい」とした。
一方で、下地島空港の自衛隊利用について浜田靖一防衛相が含みを持たせる発言をしたことについて問われると「われわれは、日米の共同使用や自衛隊の使用について、なし崩し的に物事が進められることを一番危惧している。そのことによって日米の安全保障体制にほころびを生じさせることがあっては本末転倒だ。そのことについては、防衛局に注意喚起や申し入れを含めて意見交換をしていきたい」と述べた。
(記事・写真・図 宮古毎日新聞)