林官房長官が沖縄訪問 玉城知事らと会談
- 2024/1/28
- 政治
林芳正官房長官は就任後に初めて沖縄県を訪問し、28日に玉城デニー知事や名護市の渡具知武豊市長らと相次いで会談した。玉城知事は林官房長官に対して、沖縄振興予算の確保や物価高騰への対応、米軍基地の整理・縮小、米軍普天間飛行場の辺野古移設断念などを求める要望書を手渡した。
林官房長官は、玉城知事との会談で、「沖縄の皆さんには、今なお大きな基地負担を負っていただいている。嘉手納以南の土地の返還を着実に進め、負担軽減を一つ一つ実現していくことが責務だと考えている」と述べた。
玉城知事は、2024年度の沖縄振興予算の確保などについて感謝の意を示した。また、「沖縄振興予算や税制などを最大限に活用し、全国で最低水準にある県民所得の引き上げや、自立型経済の構築を図るとともに、離島の条件不利性の解消などに全力で取り組んでいきたい」と述べた。
米軍基地問題については、2022年に本土復帰50年の節目を迎えたにもかかわらず、米軍専用施設面積の70.3%が沖縄に集中して過重な基地負担があると指摘。特に普天間飛行場については、一日も早い危険性の除去に取り組むよう要請した。
また、同飛行場の辺野古移設については、過去3回の県知事選挙と県民投票の結果を受け止めて工事を中断し、県との対話に応じるよう求めた。
会談後、記者団の質問に応じた林官房長官は、「地元の皆様への丁寧な説明を行いながら、普天間飛行場の一日も早い全面返還を実現するために、辺野古移設に向けた工事を進めていく」と語った。
一方で、「沖縄県側と、さまざまなレベルで意思疎通を図っていきたい」とも語り、普天間飛行場負担軽減推進会議の作業部会を開催する方向で調整していく意向を示した。
(記事・写真 宮古毎日新聞提供)