玉城デニー知事「まだ最終段階にはない」 辺野古変更承認申請の判断
- 2021/10/16
- 政治
玉城デニー知事は15日、県庁で定例会見を開き、米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設をめぐる公有水面埋立変更承認申請の審査状況について、「まだ最終段階にはないと思う」との見解を示した。「地盤の再調査の必要性についてなど、沖縄防衛局のこれまでの回答を踏まえ、災害防止および環境保全に十分配慮した計画となっているか厳正に審査している」と説明した。
防衛省は昨年4月、工事について設計変更を申請。軟弱地盤を改良するため、杭を7万本余り打ち込む方針を示したが、設計変更には県知事の許可が必要となる。県は8月にも不承認とするのではないかという見立てもあったが、県はこれまで判断を下していない。9月の定例会見では、玉城知事は新型コロナウイルスへの対応も影響していると述べていた。
15日の会見で、玉城知事は「大規模な地盤改良工事の追加など変更が多岐に渡り、詳細について厳正に確認、点検作業をしている」と説明した上で、「沖縄防衛局からの回答などを踏まえ、ジュゴンへの影響、地盤の力学的調査の必要性について審査が続いている状況。引き続き審査の推移を見たい」との考えを示した。
新型コロナワクチン接種の加速化に向けた市町村との連携強化については、玉城知事は「全体の接種率は伸び続けてはいるが、上がり幅が徐々に緩やかになっている」と指摘した。
また、「さらに接種向上を図るため、各市町村の接種実績を踏まえた対応が必要となる。各市町村の世代別に作成した分析資料を基に市町村と意見交換して必要な取り組みを実施していきたい」とも述べた。接種率が伸び悩んでいる市町村には、未接種者への再勧奨などのきめ細かい取り組みを求めた。
このほか、玉城知事は、経済活動の再開に向けて31日までと設定した感染拡大抑止期間を前倒しして解除するかについて、「下げ止まりが懸念される状況も勘案しながら、県疫学統計解析委員会の分析や、専門家会議、経済関係団体の意見を踏まえて対策本部会議で前倒しも可能かどうか協議したい。来週中の判断となる」と説明した。
「感染状況が改善したとはいえ、コロナの脅威がなくなったことではないということを意識していただきたい」などとも強調し、再び感染が拡大し、自粛続きとならないよう県民の協力も呼び掛けた。
(記事・写真 宮古毎日新聞)