「沖縄をウイルスから守る」防疫最前線の現場から

 

 新型コロナウイルスの感染者数の累計が2259人、死者の累計が41人となった沖縄県(9月10日現在)。感染者が出た施設をいち早く立ち入り禁止にし、消毒作業を行う県内の企業に沖縄サニタリー株式会社がある。家畜伝染病の「豚熱(CSF)」、新型コロナと相次いでウイルスと最前線で戦うこの会社の下地常弘常務取締役に現場の実態や県の防疫体制、今後の課題などについて話を聞いた。

豚熱の教訓 人員確保に外部の力を

――新型コロナウイルスの前にCSFが春先に発生しました。

「岐阜県や愛知県で2年前に発生していて、県で熱心に取り組んでいた畜産課の平安山英登さんと『いずれ沖縄にも来るはずだから講習会を開きたい』と、話はしていました。今回のウイルスは強毒性のアフリカ型ではなかったので不幸中の幸いと言えますが、中国やロシアで発生しているので中国経由で来られたら最悪の状況になっていたかもしれません」

――中国は「一帯一路」政策でアフリカとの往来も盛んです。

「CSFに感染した豚の肉が流通しているという話もよく聞きます。アフリカ型は加熱しても毒性が消えないので本当に怖いです。意欲のある養豚農家さんは、今回のCSFを奇貨として警戒感を共有し、危機管理の予行演習ができたと捉えています」

――それでも現場は大変だったのでは?

「現場の県職員はかなり頑張ってはいたと思いますが、畜産課と家畜保健所の連携がもっと取れていれば、という思いはありました。家畜保健所がマニュアルを作成し、作業前に消毒方法を示すことなどが必要だったと思います。『日本ペストコントロール協会』との関わりで、県外から来てくれた先輩とポイントを回って指導をしましたが、愛知県から70人部隊を派遣してもらうこともできたのに、予算の都合で見送りになりました」

――人員が逼迫していたんですね。

「県と市町村だけでやろうとせず、経費を惜しまず外部の力を借りれば良かったと思ってます。それと10年前に鳥インフルエンザの対策に当たったOBたちが現場にいなくなりました。獣医師の資格を持っているOBの平川宗隆さんのような、言わば現場の叩き上げの方の知見を生かすことができないか。平川さんに聞いたところ、応援要請はおろか助言を求められたこともなかったそうです」

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