「沖縄をウイルスから守る」防疫最前線の現場から

 

県は民間の業者との連携を

――どこに原因があると?

「玉城知事は、職員から嫌われてもいいから組織改革に大なたを振るべきです。連携で言えば、部署間だけでなく民間の業者とも連携を図るべきです。(国の)検疫所は情報収集、情報提供で弊社にも来ますが、県も市も来たことがないです」

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――緩み、それともプライドなんですかね。

「よく言えば『なんくるないさ』、悪く言えば在任中に事を起こしたくないという役人特有の処世術なんでしょうね。民間業者として協力はするけれど、主体はあくまで行政組織にあるので、当事者意識を持って率先してほしいです。民間が協力し過ぎて責任所在まで問われたのでは筋違いですから」

――筋違いなことがあったんですか。            

「数年前にデング熱患者が東京都で発生したんですが、本来は県が管轄なのに当時の健康長寿課は『各市町村の地域に合わせた感染症対策をしてください』と、市町村に責任を投げたんです。感染症に地域も国境もないと思いませんか?沖縄は離島県ですから医者が不在の島もあります。それを『各自治体で……』と言うのは無理な話です。さすがに浦添市の職員がかみついていましたが、そういう熱血漢の公務員も中にはいるんです」

――県って偉いんですね。

「もうかなり上から目線です。市町村ともOBとも民間とも連携を取ろうとしない。だから『経験の蓄積』がないんです。繰り返しになりますが、知事が大なたを振るってシステムを変えるしかないんです。台湾の成功例とまではいかないにしても、システムを変えないと。新型コロナもそうですが、アフリカ豚コレラ、アルゼンチンアリ、セアカゴケグモ……いつ入ってきてもおかしくない。常在戦場なんです」

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