養液栽培の技術沖縄へ!県産野菜の通年供給に挑戦 新里さん

 

土を使わない養液栽培

 また、新里さんは、土を使わずに肥料を水に溶かした養水分を与えることによって作物を育てる養液栽培を行うことを考えている。作物に直接養分を与えるため、品質の向上と収量のアップに繋がることがメリットの一つだという。また、土耕栽培と違って養水分を植物がどのくらいの量を吸収したか確認でき、管理がしやすいこともメリットにあげた。

土を使わない養液栽培(本人提供)

農園で栽培されているトマト(本人提供)

安定供給で「沖縄の未来をもっと良くしたい」

 沖縄の農業市場では、夏場7月~10月の間、県産夏野菜が減少する。主な理由は、気温が高すぎるため栽培できる野菜が限られてしまうこと。そして、もう一つは、夏は台風被害の可能性が高いため、野菜の作付けを見送ることが理由だ。対して、冬場は多くの生産者が栽培するため野菜の価格は安くなるが、夏場は県外から野菜を仕入れなければならないため、高値で販売されている。

 新里さんは「低所得や低学力など様々な社会問題を抱える沖縄に暮らす人に、安定した価格で野菜を届けたい。県外と陸続きでない沖縄にとって、できる限り地産地消を増やしていくことが今後より重要になってくる。環境制御装置の技術を沖縄でも実現することができれば、年中県産の野菜を栽培することができる」と野菜の安定供給が沖縄の未来につながると考える。

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