JTA2期連続赤字 23年3月期は黒字化目指す

 
2022年3月期の業績を発表するJTAの野口望社長=6日、那覇市のJTA本社

 日本トランスオーシャン航空(JTA、野口望社長)は6日、2022年3月期の売上高が前期比2億円減の189億円、経常損益が74億円の赤字になったと発表した。21年3月期に続き2期連続の赤字となった。野口社長は「大変厳しい状況」との認識を示した上で、今期(23年3月期)の収支計画では、当期純損益26億円の黒字を見込むと明らかにした。

 運航費用のような変動費を抑制するなどで、営業費用は264億円と前期から12億円削減したものの、新型コロナウイルスの影響による行動制限の長期化に伴い需要が低迷し、営業損益は75億円、当期純損益は52億円の、それぞれ赤字となった。

 売上高の約8割を占める旅客収入は、新型コロナウイルスの影響による行動制限が20年度の102日から、21年度は215日と2倍を超えたものの、ワクチン接種者限定のツアーなど乗客のニーズに即した施策を行い、145億円と前期比5億円減にとどめた。

 貨物・郵便収入は、宮古・八重山発の生鮮貨物で臨時便を設定するなど滞りがないよう努めたが、夏場の台風による欠航などで、同9%減の16億円となった。

 野口社長は、業績の結果について、「2期連続の大幅な赤字はかなり重たい」と述べた。その上で、新型コロナウイルスの感染状況に応じて「供給調整を柔軟に行うことで、しっかりと黒字を達成していきたい」と述べた。

 今後に向けては、感染防止対策を徹底し、安全・安心な環境を整えることを前提に、キャンペーンやタイムセールなどの需要喚起を図る方針を示した。野口社長は「今年のゴールデンウイークは動いている状況なので、今後を見極めつつ、夏休みにつなげていきたい」と期待を込めた。

 23年3月期の見通しについては、売上高401億円、営業費用363億円、営業利益37億円と予測した。

JAL、ANAとも航空需要の回復予測

 同日は、JTAが所属するJALグループも22年3月期の決算を発表した。純損益で1775億円の赤字(前期は2866億円の赤字)だったものの、23年3月期は450億円の黒字を見込んだ。

 また、4月28日に発表されたANAホールディングスの決算は、純損益が1436億円の赤字(同4046億円の赤字)となった一方で、23年3月期は210億円の黒字に転換するとしている。

 JALグループ、ANAホールディングスとも、今後は航空需要が回復していくと見込む。JTAも、6日の会見で「4月、5月はコロナ前の6割~7割まで戻してきており、ゴールデンウイークも7割程度まできている」との分析を明らかにした。今期は、新型コロナの影響を受けながらも、航空業界が回復に向けた期待を持ちつつ模索する1年となりそうだ。

(記事・写真・図 宮古毎日新聞)


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