養液栽培の技術沖縄へ!県産野菜の通年供給に挑戦 新里さん

 

うるま市に土地を確保

 新里さんが就農に決めた土地は、うるま市勝連南風原だ。すでに1500平方メートルの土地を確保している。東馬場農園で研修を受けながら、沖縄を何度も行き来し、沖縄の農業市場の調査やトマト農家の訪問、農地探しをしてきた。農地調査には、東馬場怜司社長も同行し、2020年11月に認定新規就農者の資格を受理した。

新たなハウスが建つ予定のうるま市勝連の農地(本人提供)

 東馬場怜司社長は「(本当に実現可能かどうかは)できるとは言い難いが、ヒントはたくさんある。私も沖縄に行った時に感じたが、沖縄なのに北海道のトマトしか並んでいないという現状を見たときに、やはりこの技術が活きる可能性というのはすごく大きく秘めていると感じている」と新里さんの想いを後押しする。

故郷、沖縄のために農業で還元

 しかし、大きな課題は資金だ。ハウスの建築や環境制御装置など必要な費用は総額6000万円。新規就農者が活用できる青年就農給付金で得られる3700万円や個人で借りられる融資を足しても資金があと一歩足りない現状だ。新里さんは、1千万円を目標にクラウドファンディングを実施し、3月10日現在で約365万円が集まった。

 新里さんが沖縄を離れて10年。「離れていたからこそ見えてきた沖縄の良さ、沖縄の問題点。農業に限らず多くの場面で『沖縄は県外と違うから無理だよ』『沖縄はこうだから』という言葉をよく聞きます。私としては沖縄だから工夫しなければならいないこと、やらなければならないことがあると思って行動したいと思っています」と話す。

 新たな農地の名は「新里農園」に決まった。完成したロゴマークには、「農業を通してみんなが幸せに暮らせる沖縄にしたい」との思いが込められ、「沖縄から、沖縄のために」という意味の文言が書かれている。新里さんは「まだまだ始まったばかりですが、多くの方から支援をいただいています。養液栽培でトマトの周年栽培を実現して、農業をしたい人達が農業を始めやすい環境を作っていきます。沖縄の農業発展のために、応援してくれる支援者の期待に応えるように頑張りたい」と熱い想い、意気込みを笑顔で語った。

<新里農園>
代表:新里龍武
連絡先:090-5926-4014
tatsuchima@yahoo.co.jp

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安里 三奈美

投稿者記事一覧

ボリビア在住5年、2児の母。フリーライターとして観光や沖縄県系コミュニティーについてWEBや紙媒体で執筆、寄稿等を行う傍ら、家系図や家族史・自分史の制作会社の代表も務める。2011年に県系の若者をつなぐネットワークを構築、県系若者が集う大会を世界各地で開催。2015ミスうるま。著書に「刻まれた21cm」(文芸社)

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