沖縄の有効求人倍率1.18倍 コロナ禍からの回復続く

 
沖縄の雇用情勢について説明する沖縄労働局の西川局長=5月30日、県庁

 沖縄労働局の西川昌登局長は、このほど県庁で会見し、2023年4月の有効求人倍率(就業値別・季節調整値)が1.18倍となり、前月から0.04ポイント上昇したと発表した。コロナ禍からの回復で好調な観光関連産業の波及効果により、各産業で求人が増加しているという。

 県内では、新型コロナの感染が拡大したことにより2020年3月ごろから入域観光客数が急激に減少し、それに伴って有効求人倍率も低下。同年9月には0.74倍となったが、昨年からは徐々に回復している。

 直近では、雇用情勢の改善を示す基準の「1倍」を9カ月連続で超えた。全国の数値は1.32倍で、沖縄を上回っているものの、4カ月連続で下落か横ばいとなった。

 同月、沖縄の有効求人倍率は全国42位で、就業値別のデータ統計を開始した2005年2月以来の最高位を記録した。同局は「沖縄の雇用情勢の改善が、全国と比べても顕著」と分析している。

 

 求人側だけでなく、求職者側の動きも活発になっているといい、西川局長は会見で「より良い条件で就職したいと活動している、求職者が増えている」と述べた。

 また、「高齢のため退職された人からは、体力的、時間的に考慮された職務内容や、求人についての問い合わせも増えており、仕事内容や時間を細分化して対応する企業も増加していると聞いている」とも指摘した。

 正社員に限った有効求人倍率(原数値)は0.67倍で、コロナ禍前の19年同月を0.07ポイント上回った。正社員の有効求人倍率が19年を上回るのは、昨年12月から続いている。

 「雇用の質」について改善する必要性が言われてきた沖縄。西川局長は、正社員の有効求人倍率について「全国との差は0.31ポイントまで縮まっている。0.10ポイントや0.20ポイントまで縮まれば、本格的に『雇用の質』が改善してきたと言えると思う」と指摘した。

 その上で、現状について「『改善の兆し』はあるが、全国との差をどう埋めるかが重要なポイントになる」と強調した。

(記事・写真・図 宮古毎日新聞)


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