沖縄の景気「拡大基調」維持 シティーホテルの稼働好調 日銀那覇支店5月
- 2024/5/20
- 経済
日銀那覇支店(小島亮太支店長)は17日、2024年5月の県内金融経済概況(主要指数は3月)を発表し、景気判断について「拡大基調にある」との判断を8カ月連続で維持した。個別項目においても、すべて判断を据え置いた。観光分野では、旅行費用の上昇を受けた節約志向から、宿泊料金を抑制する動きがみられており、シティーホテルの稼働率が好調に推移した。
個人消費は「緩やかに増加している」との判断を維持した。百貨店やスーパーの販売額(全店舗)は前年度比でプラス7.6%。雨などの天候不順が続いたことで客足が減少したが、清明祭などでオードブルの売れ行きが良く、食料品を中心に堅調に推移した。
観光では「拡大基調にある」の判断を据え置いた。国内客は、全国旅行支援の効果があった前年度と比べるとマイナス3.0%となったが、春休みシーズンの旺盛な旅行需要に支えられた。
一方、外国人客は航空便の復便や増便が進展したことを背景に、前年度比プラス155.6%と大幅に増加した。
主要ホテル客室稼働率は、3月は65.7%、4月(速報値)は68.2%。3月は全国旅行支援の終了などが影響して、前年度を6.2㌽下回った。一方、4月は入域が好調な外国人客の宿泊が寄与して前年度を上回る数値となっている。
3月のホテル稼働率は、那覇市内のホテルは74.3%、リゾートホテルが61.5%となり、形態別で差が見られた。
小島支店長は「相対的に値段が安いシティーホテルが高めの稼働率となった。リゾートホテルの一部では、値段を引き下げてなんとか高めの稼働率を維持したとの声もある。一部では、高単価と高稼働率を両立させることが難しくなっている状況だ」と述べた。
その背景としては「沖縄県内のホテル客室数は19~22年で2割ほど増えている。客室数が大幅に増加したことで稼働率が追いついていない。観光客は観光地の見学料やお土産代など、旅行代金全体が上がっており、ホテル料金を低めに抑えようとする動きがみられる」と説明した。