名護東道路が全面開通 アクセス向上で観光振興に期待
- 2021/7/31
- 経済
沖縄自動車道と名護市以北の本島北部地域をつなぐ名護東道路の世冨慶ICと数久田ICの区間が31日、開通した。開通区間は2.6キロ。すでに2012年に開通した伊差川ICと世冨慶ICの区間(4.2キロ)とあわせて、名護東道路の全区間(6.8キロ)が開通したことになる。
このうち数久田ICでは、午前10時からの開通と同時に、続々と車が完成したばかりの新しい道路へと入る様子が見られた。実際に数久田ICから名護東道路を走行してみると、途中4つのトンネルを通り抜け伊差川ICにたどり着く。初日とあって車も多く、伊差川IC近くではやや混雑したものの、名護市街を経由するルートに比べ、大幅に時間が短縮されたのが実感できる。
名護東道路の全区間開通により、許田ICから今帰仁村の今帰仁城跡までの所要時間はこれまでの45分から34分、また同じく許田ICから大宜味村の「道の駅おおぎみ」までは39分から28分へと短縮される。
また、沖縄自動車道の許田ICから名護市街方面に向かう国道58号にあった「道の駅許田」前の信号機は、今日の開通に合わせて廃止された。これにより、許田ICから名護東道路を経て伊差川ICまでノンストップで走行できることになる。
あわせて「道の駅許田」がリニューアルされ、駐車場が拡大したほか、新たに道路情報ターミナルが完成した。この建物の3階テラスからは名護湾を一望できる。
本島北部には、美ら島水族館や古宇利島といった観光地があり、世界自然遺産に登録されたばかりのやんばるの森もある。名護東道路の全区間開通でそうした地域へのアクセスが向上し、新型コロナウイルスの感染が収束した後にはさらなる観光振興につながるものと期待されている。
また、コロナの感染が拡大する前までは、レンタカーで本島北部を回る観光客が、許田ICから名護市街方面に向かうルートを通ることが多く、国道58号と国道329号が交差する世冨慶交差点などでは、週末を中心に混雑が発生することも少なくなかった。そのため、沖縄総合事務局では、市街地をバイパスするこの道路の完成で名護市内の混雑の緩和も見込まれるとしている。