沖縄の景気「回復している」 台風6号影響は一時的/日銀那覇支店9月
- 2023/9/10
- 経済
日銀那覇支店(小島亮太支店長)は8日、2023年9月の県内金融経済概況(主要指数は7月)を発表した。7月末から沖縄に停滞した台風6号による一時的な下押し圧力を受けたが、県経済全体の景気判断基調に影響はないとした。県内景気は「基調として回復している」とし、前月水準の判断を維持した。
個別項目では、個人消費は「緩やかに増加している」とした。台風6号で大きな影響を受けた観光も、一時的な下押し圧力があったとしながらも「回復している」との判断を維持した。ほかの項目でも判断を据え置いた。
個人消費は、百貨店・スーパーなどの全店舗の販売額が前年比プラス10.4%。食料品は、各種商品の値上げにより客単価が上昇している影響もあるが、売り上げはそれを上回っている。
また、台風6号の停滞で県民が外出機会を奪われたことによりペントアップ需要が高まり、県民の消費が再び活発化したという。
観光では、主要ホテル客室稼働率が7月は前月の63.9%を上回る70.3%だった。7月中旬まで全国旅行支援の後押しがあり、それ以降も夏休み需要で高い稼働率が続いた。
しかし、8月(速報値)は64.7%と低下。台風の停滞で帰路を絶たれた観光客の延泊や、停電や浸水被害を受けた県民による宿泊需要など、稼働率を押し上げる動きも一部見られたが、それ以上に旅行のキャンセルによる影響が大きかったという。
県内景気の先行きは、「回復が続くとみられる」との判断を維持した。小島支店長は理由として▽9月中は全国旅行支援が再開すること▽企業のインセンティブ旅行や修学旅行などの団体客の増加▽海外客の国際船の復便やクルーズ船の増便-などを挙げ、「新型コロナの影響が和らぐもとで需要の回復が続くとみている」と述べた。
また、今後の物価について「資源高や原材料高を背景とした物価上昇が企業収益や各家庭の実質所得を下押しする方向に働くので、その影響については引き続き注意深く見ていきたい」と語った。
(記事・写真・図 宮古毎日新聞)