県内キャンプ専門家が協同組合 全国でも稀、多様なニーズに応える
- 2021/2/5
- 経済
キャンプインストラクターや災害ボランティアなど、キャンプに関連する各事業者がそれぞれの専門領域を生かして連携し、多彩なサービス提供につなげようと「キャンプ沖縄事業協同組合(CAMP-O協同組合)」(宜野湾市、下地正敏代表理事)を昨年10月に発足させた。発起人として参加したのは7事業者。同組合の久高友嗣専務理事は「(例えば)キャンプ体験を提供する事業者がレンタル業者と協力することで、キャンプ用具の貸し出しにも同時に対応できます。各団体が連携を取ってニーズに上手く応えたいと発足しました」と語る。多方面からの依頼を取りこぼさない業界全体の受け皿としての機能も持つ。
協同組合を組織するメリット
CAMP-O協同組合によると、キャンプ関係の事業者同士で結び付いた協同組合は、全国でも類を見ないという。組合メンバーに縦の序列は無く、フラットで相互扶助的な関係にある。
数々のキャンプ企画のサポートを行う久高専務理事は「組合メンバーで束になることで規模感が生まれ、事業の幅を広げることも可能になりました」とその意義を話す。
県から認可を受けた団体で、社会的な信用も高まった。「これまで個人事業主や任意団体では参画が難しかった公共空間の利活用や、企業研修・チームビルディングなどの参加人数が多い案件を受け入れられる体制ができつつあります」と、事業規模の拡大につなげる。
これによりCAMP-O協同組合は発足以降、県内での実績を積み重ねてきた。昨年11月に沖縄県平和創造の森公園で行われた「Music&Torch for Peace2020」内キャンプイベントの企画・管理、昨年12月に南城市糸数城跡での野外イベント「サウンドスケープ沖縄」でのアウトドア用品の提供、今年1月にはうるま市勝連城跡の「勝連城フェス」で、グランピング体験のディスプレイをプロデュースした。
「中間法人」の強みで社会課題に挑む
「協同組合」は、利潤のみを追求しない中間法人だ。環境保全やマナーに関する啓蒙も行い、業界のオピニオンリーダーとして真の豊かさも考えていく。キャンプからのアプローチで社会課題の解決を目指す。