県内キャンプ専門家が協同組合 全国でも稀、多様なニーズに応える

 

 「営利・非営利の両面での活動をする中間法人という性格もあるので、ボランティアイベントの際には、我々が旗振り役になると協力してもらいやすいという側面もあります。また、ブームの早さに追いついていないマナーの向上にも一役買いたいです。ゴミ問題が発生し地元住民のイメージが悪くなると、禁止区域に設定されても仕方ありません。自然を楽しむはずのキャンプで自然を壊すとなれば本末転倒です」(下地代表理事)

下地代表理事の事業であるMOJI CAMPの様子。自身のボーイスカウトの経験が活かされ教育的な要素もある

「教育」「観光」「防災」に貢献する

 社会の情勢や起こった出来事により、その時代の課題とそれに処方するべき解決策は変わる。キャンプも課題解決の道具として「教育」「観光」「防災」の3つの分野で期待が高まっているという。

<教育>
 下地代表理事は、自然が相手のキャンプでは子どもたちのコミュニケーション能力を育める点に触れる。

 「限られた環境で自分の役割を与えられて営みが始まります。初めて顔を合わせた人に助けられたり、助けたりといった経験をするんです。その中でコミュニケーション能力が培われます。
 コロナで日常が激変したように、変動を続ける世の中では受け身では生きられません。その点、アウトドアの現場は常に能動的です。用意されたものではなく、自然の中で自ら何かを起こす力が培われます。親が仕事で忙しく、なかなかアウトドアをする機会がない子もいます。イベントを通じてその機会を提供できればと思っています」

<観光>
 沖縄観光では、オフシーズンである秋冬の集客が課題だ。

 「国内でもこの1年で急速にキャンプ需要が高まっています。自然が豊かで秋冬でも暖かい沖縄は、アウトドアを楽しむという面では観光業の視点からも魅力的な場所であり続けると思います。リピーターの方や中長期でのアウトドア観光客、ワーケーション利用の人たちによって、平日の観光がより活発になることも期待できます。ホテルへの連泊の中、1泊はキャンプをしてみるのも良いのではないでしょうか。
 その反面、受け入れにあたってのキャンプ場等の情報案内や、自然環境を守る活動基盤の整備も同時に必要だと感じています」(久高専務理事)

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