沖縄県内の景気判断据え置き 日銀那覇5月
- 2022/5/19
- 経済
日本銀行那覇支店(飯島浩太支店長)は18日、2022年5月の県内金融経済概況(主要指標は3月)を発表した。県内景気は、人流の回復でサービス消費への下押し圧力が和らいでいるとして「厳しい状況にあるが、持ち直しの動きが見られる」との判断を据え置いた。先行きについて飯島支店長は、感染症の影響と資源価格の上昇に注視する必要があると指摘した。
同支店は、判断を維持した理由について、新型コロナウイルス対策の「まん延防止等重点措置」が県内で2月下旬、全国でも3月下旬に解除されことで、人流回復の動きが継続し、観光や外食などサービス消費への下押し圧力が和らいでいることなどを挙げた。各個別項目についても、すべて判断を維持した。
観光については、3月の主要ホテルの客室稼働率が42.0%となり、4月も速報値で43.1%との水準となった。事業者への聞き取り結果では、3年ぶりに行動制限措置が発出されずに迎えたゴールデンウイーク(GW)は、観光需要を中心に、おおむね7割と高い水準で客室が稼働したことや、GW後もビジネス需要が底堅く推移しているとの声が聞かれていると説明した。
ただ、同支店は先行きも「厳しい状況が続くものの、感染症の影響が和らいでいけば、持ち直していくとみられる」との判断を据え置いたが、感染症の動向が県内経済に与える影響と、ウクライナ情勢などの影響を受けて上昇する資源価格が与える影響の2点を注視する点に挙げた。
飯島支店長は、ワクチンや治療薬の普及などによって感染が抑制され「経済活動との両立が進んでいく」との見解を示す一方で、新たな変異株が出現する可能性もあるとして、「再びサービス消費を中心に下押し圧力が強まるリスクはある」と指摘した。
また、資源価格上昇の影響で、企業収益や実質所得の下押し圧力が強まるものの、感染症の影響が和らげば、これまでサービス消費を抑制してきた反動により、ベントアップ需要(繰越需要)が期待できるとして「景気は持ち直していく」との認識を示した。
(記事・写真・図 宮古毎日新聞)