旅客便貨物スペース活用 物流ハブで新モデル

 
会見で発言する芝田常務。右は富川副知事=29日、県庁

 県は29日、全日本空輸(ANA)と共同で取り組んできた国際物流拠点の形成について、外部環境の変化を踏まえて新モデルの構築を目指すと発表した。従来の貨物専用機が中心のモデルから、「貨物専用機に加え、那覇空港に就航する旅客便の貨物スペースを活用するモデル」に移行する。

 ANA国際物流ハブは、2007年に締結された県とANAの基本合意に基づき2009年に開始。当初、那覇空港での貨物取扱量は大幅に伸び2016年度には42万トン(国内貨物22万トン、国際貨物20万トン)に達した。ただ、その後は減少して19年度は30万トン(国内貨物20万トン、国際貨物10万トン)となっている。

 この間、国際物流ハブを取り巻く外部環境は大幅に変化している。他空港の24時間化やアジア諸国等との直行便就航数増など競合が激化する一方で、沖縄への入域観光客数の増加による那覇空港発着航空路線数は増加した。物流面では、eコマース商品のニーズが高まりつつあるという。

 また、新型コロナの感染拡大による影響で、那覇空港発着の航空貨物専用機による貨物便は全便運休となっている。ANAは、このほど2021年度以降についても、貨物便の運休継続を決定している。

 このため、新モデルでは、那覇空港に就航している航空各社の旅客便や、ANAグループのPeach運航便の貨物スペースを活用して航空ネットワークを構築する。また、近年、市場が急速に拡大しているeコマースの物流ニーズを取り込むため、多仕向地、多頻度化に対応するモデルを構築し、eコマースの拠点化も促進していく。ANAは、航空各社と貨物スペース利用契約を締結し、貨物スペースを活用することでの輸送を実施していくという。

 県庁で会見した富川盛武副知事は「新型コロナウイルスの影響により、県経済は非常に厳しい状況だが、今後の経済発展の足掛かりとしていきたい」としつつ、「引き続きアジアのダイナミズムを取り込むことにより、国際物流拠点の形成とコロナ禍からの経済復活に向け、ANAグループをはじめ関係業者と連携を図りながら取り組んでいく」と述べた。

 ANAホールディングスの芝田浩二常務は「(新型コロナの感染拡大による)急激な市場環境の変化に対して能動的かつ柔軟、迅速に対応することが求められている。那覇空港における国際物流ハブ事業についても、那覇空港に就航する外国の航空会社などの貨物スペースを今後は積極的に活用することで、変化する市場に柔軟に対応できるモデルへ変革していきたいと思っている」と述べた。

 その上で、「これまで、沖縄県と一緒に国際物流ハブ事業を通して培ってきた知見と、外国の航空会社との間で事業提携を展開してきたノウハウを最大限に活用し、沖縄の物流ハブの機能の充実に力を尽くしていきたい」と強調した。

(記事・写真 宮古毎日新聞)

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