正念場の沖縄国際貨物ハブ 県のテコ入れが急務

 

 「このままでは、沖縄の貨物ハブに未来はない」

 全日本空輸(ANA)の幹部は明言した。ANAがコロナ禍で不採算事業の整理に躍起となる中、「ハブ化構想」は岐路を迎えている。

 2009年にANAと沖縄県が、「観光、情報通信関連産業に続く第3のリーディング産業」として那覇空港で進めてきた「国際物流ハブ化構想」。羽田や成田、関空、ソウル、上海、バンコクなどから貨物をいったん沖縄に集め、再び貨物専用機で各都市に送り出す事業だ。

 那覇空港からアジア各都市まで4時間以内で輸送できること、那覇空港が24時間運用であることなどがメリットとなり、「最遅集荷」「最速配達」を可能にしてきた。

「事業の実現の背景には、ANAの大橋洋治会長(現相談役)と当時の仲井眞弘多知事の信頼関係があった」という元県幹部もいる。事業がスタートした際、仲井眞知事(当時)は、「(構想は)沖縄振興にとどまらず、アジアの航空貨物需要や成長力、活力を取り込み、我が国の地位向上に大きく貢献する」と胸を張った。

ハブ構想の転機となった羽田国際化

 実際、事業がスタートした直後、国際貨物の取り扱い量は爆発的に増え、16年度には10年度対比で約1.3倍の19万6600トンあまりまで増加した。7機体制だった機材は10機まで増え、週120便を確保した。だが、事業の成長はそこまでだった。「羽田空港の国際化が転機になった」(ANA幹部)という。

 10年にD滑走路が共用開始となり、6万回の発着枠が国際線に割り振られたことで、32年ぶりに羽田に国際定期便が復活した。14年には国際線ターミナルが増設され、国際線発着枠は、さらに増枠されていく。

「羽田の国際化が進み、例えば羽田から那覇経由で香港に運ぶのが最速ルートだったものが、羽田-香港の旅客直行便が同じANAで設定され、荷物がその便の貨物スペースで運ばれるケースも出てきた」(同)

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